ちちいろにしたたり朝の霞かな
青霞狂句ひとつを詠まんとす
白波の霞むばかりや呉の朝
病中に見る正夢や霞たなびく
草霞ローソン脇の石ぼとけ 【笑い仮面】
ごくたまに、早起きをして、外へ出てみたら、街中が霞にのみこまれてしまっていて、ぎょっとすることがある。遠景は《ちちいろ》というよりむしろホワイト・アウトと形容したくなるほどの異様さを誇っていて、その山霞がおそらくは朝の風にさらわれて、足もとにまで延びてきていている。こうなると《幽玄》もへったくれもないホラー映画のワンカットみたいだけれど、じっさい霞という自然現象がこんなにも威圧感をもっていたことに、みょうに感心してしまう。
おそろしいけど、ひどく美しい正夢を見ているような感もあってね。
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