笑い仮面のブログ-公園のニンフ



夜 公園で
噴水をみつめていたら

ぽろり
涙がこぼれ落ちた
わけもないのに
鼻汁と
大量の汗と小水が
痩せた体中から
湧き出して
あたりを汚しつづけた


穴の開いた風船みたいに
身をよじらせ
小さな死をわたしは急いだ
涙よりも重く
胃液よりもはるかににがい
生きてあることの
苦渋を
吐き尽くしてしまったら
人性の闇は消えてしまうのか?
それはふたたび
みたびと
たちあがる昨日ではないのか?
読み捨てられた明日は
いつでも目の前にあり
仔犬のようにじゃれついてくる
胸を撃ち
祈るすべもなく
おお 
刹那のような
おそれを抱いて
冬の星座をあおぎつづける
夜の
公園のニンフ


    ★


もうれつな、しかし確かな意志のもとで、みずからの存在を否定したくなったことはないか?
2008年、冬の作。


                                          【笑い仮面】