ずいぶん更新さぼってましたね
なんだか先週末から出かけたり、仕事の雑用山積み
なんていいわけしてないで、たまってたネタ、がんがん(いや、ちびちびか)いきますよ~
えっと日曜日、念願の「エンバース-燃え尽きぬものら-」の再演観てきました!!
過去のブログに書きましたが
眠い・・・眠いけど魅力のあるこのお芝居・・・
予想通り、やはり眠かった
でも今回は想定内?
席が前から3番目だけあって、微妙な役者の動きや表情の変化が、リアルに伝わる
やはり芝居とバレエは前で観るもんですね
とはいえ、一幕目は何度かまぶたが落ちそうに・・・
でも・・・
やはりよかった!!
こんなに何度も「眠い」を連発して言うのもなんだけど
去年とはまたちがった視点でドラマを観られた気がします
あらすじと、この芝居への、キタガワの個人的な思い入れについては、
過去のブログを参照していただきたいんですが
現実にはありえないシチュエイションかも
主人公のヘンリックもありえない(キタガワ的にはね)
ハンガリーの古城に暮らす75歳の紳士が、41年も前に行方知れずになり、自分の奥さんとできてたんじゃないかと思しき親友を、わざわざ探し出して、自宅に招き、思い出話をなつかしむとか思わせるや、むかしの恨みをねちねち(ヘンリック流には疑問をはらす・・・なんだけどね)
なんのために?
いってみれば、ヘンリックは金持ちの息子で、ハンサムで女にもてて、苦労知らず
対する幼馴染で、親友のコンラッドは貧しいけど、ヘンリックにはまったくない、ある種の魅力を持っていた・・・
ヘンリックはそんなコンラッドに
意識的な優越感と無意識の劣等感
を持っていたのね
それが、自分の奥さんと彼ができてるんじゃないかという疑いで、一気に奈落の底へ
疑惑をはらせないうちにコンラッドは二人をおいて出奔、
残されたヘンリックは奥さんに心を閉ざし、敷地内別居
関係を修復できないまま、奥さんは8年後、病死してしまうのです
で、誰が悪いのでしょう?
このお芝居はけしてリアルな人間ドラマとはいえないでしょう
かさぶたも41年もたてば、はがそうにも相手はとっくにつるつる
それをはがそうなんてマゾなんだか、サドなんだか
現実の75歳はもっと忙しいのでは、とも思ってしまう
でもね・・・
でもリアルではない
このお芝居に、いつの時代も、誰もが直面しうる、困難さ、人の心の弱さが妙ににリアルせまってくるのです
人間が逃れられない弱さ
嫉妬と慢心、劣等感と優越感、それは常に交互にやってくる
そして理性と努力だけでは、どうにもならない人の心、自分の心
変えることのできない過去
変えることのできない現実
だったらどうしたらいいっていうんでしょうね?
過去を見つめること
現実を見つめること
それは意味のあることなのか、ないことなのか・・・
そんな人生の局面を凝集させたおとぎばなしを観た気がしました
ただ前にも書きましたが、お話の世界観は入れる人と入れない人がいると思いますね
繊細すぎるとも言えるし
休憩のロビーでも「まわりくどすぎる」といってたお客さんいたし
ヘンリックがただのうじうじした男に見えたらね~(まあ、見えるか)
でも役者さんはすばらしい!!
さいたま市文化センターの小ホールから、
みごとに1940年のハンガリーの田舎の古城に連れてってくれます
長塚京三さんも益岡徹さんも二人の個性の違いをみごとに表現していますね
ニーニ役の鷲尾真知子さんは、ちょっと年老いた感じがおおげさすぎるような気もしましたが
去年の樫山文枝さんはきれいすぎて乳母って感じしなかったからなあ、いいのか
ただ、新しいパンフレットと去年売り切れてしまった原作本が売ってなかったのががっくり!!
東京公演の俳優座まで行く」しかないかな