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-追記-

今回錫山自然遊歩道として紹介している区間ですが、鹿児島市が公開している最新の情報だと遊歩道区間から外されています

しかし当ブログでは錫山自然遊歩道の一部として扱います。ご了承ください。

(謎に全長も9.8kmに変更されています)

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お久しぶりな男、蕨です。

今回は県道19号もとい旧県道276号線もとい上床林道の車道としての旧道を探索しました。

写真が多いのでパートを二つに分けています。パート②はこちら→野頭の旧道②

 

最初に今回の主役ではありませんが県道19号線について少し。

県道19号線は鹿児島市の坂之上と南九州市の川辺を結ぶ主要地方道、通称二桁県道です。

鹿児島市内の県道としては比較的面白い歴史を持つ県道で、坂之上交差点で国道225号線と分岐したのち錫山峠を経由する錫山峠ルートと松ケ野を経由する松ケ野ルートに分岐します。

 

錫山峠ルートはかつては県道20号線でしたが、錫山バイパスの開通に伴い県道19号線に変更されました。こちらは古くからの錫山街道に概ね沿ったルートで、沿線には経営悪化で廃業した錦江高原ホテルなどがあります。

 

松ケ野ルートは初めに県道19号(鹿児島川辺)線として認定された道で、林道として昭和36年に開通した上床林道が昭和48年に県道276号(神殿坂之上)線へと昇格、そしてその後更に主要地方道に昇格したのが始まりです。

 

今回探索するのはそんな松ケ野ルートが開通するよりも先に開通された車道ルート、現在の錫山自然遊歩道の野頭区間です。

 

地図赤線が今回探索する道です。破線部は坂之上の区画整理により消失しています。

緑線は旧旧道で、元から徒歩道だったらしく現在は一般的な道路としては廃道化しています。

 

赤線の坂之上側実線部より探索を開始します。

 

坂之上の別府地区の一角のT字路から旧道は始まります。ここから国道225号線までもかつては旧道で一続きでしたがそちらは耕地整備や宅地化による区画整理で一部を除いて消失しています。

 

旧道は緩やかな坂を下っていきます。

奥の山に微かに見える橋は国道225号線川辺峠の橋です。ルートこそ違えど国道225号線と県道19号線は同じ川辺を目指しています。

 

旧道は一旦小さな谷へ。このあたりは若干狭い道でした。

 

谷には水道管と第一影原橋が架かります。

交差している川は野頭川です。

 

川を越えた先は広い道となり再度登ります。

 

その先では分譲予定なのか新しい区画の整理がされていました。

奥に連なる山々は薩摩半島を東西に分断する低山の山地です。この付近だと熊ヶ岳(589.7m)や美濃岳(473m)がひと際目立つ山となっています。

 

登りきったところで十字路に出ました。

今回は写真右、山へと向かう道へと進みます。

 

途中、道脇に佇む道路改修記念碑を発見。

今回の旧道にも大きく関わっていそうな石碑なのですが、、、肝心の書いてある内容を忘れました(おい)。

再訪する事があればまた記します。

 

旧道は徐々に登っていきます。

写真のあたりは高い築堤だったためもしかしたら新道で旧道は別にあるかもしれません。

 

納骨堂の先しばらくは野頭川の左岸上を進みます。

 

野頭川の川底に謎の建屋を発見。誰かのプチ別荘?

 

川沿いを抜けると写真のようなT字路へ。旧道(地図赤線)と旧旧道(緑線)の分岐地点になります。

旧旧道のある左へといくと板落しという面白い地名や私立美術館である児玉美術館があります。竹林が綺麗な美術館ですネ。

今回は迷わず右へ。

 

その後更に分岐点を左に曲がり、写真のような小径を進みます。

ここには鹿児島の少年野球チームの一つである谷山サンボーイズのグラウンドがあります。探索時も少年たちの元気ある声が聞こえてきました。

 

若干車道としての旧道らしい見た目になってきました。

 

やがて山道への入り口が見え始めます。

このあたりは野頭という名称の地区で、城址だとかいろんな噂話がありますが詳細は不明。ただ板落しという地名はどこか堀を連想させるのでもしかしたら発掘したらなんかあるのかもしれませんね。知らんけど。

 

錫山自然遊歩道の看板があります。起点は国道225号線の影原交差点付近で途中までは旧道とは若干違う道筋をしていますがここから先は同じルートです。写真奥の小屋の中の犬に滅茶苦茶吠えられながら撮影。

 

山道の開始です。遊歩道とは書いてありますが現役の市道(野頭線)であり自動車も普通に通行するので注意が必要です。

 

入ってすぐの空き地は田畑の跡です。

 

土や石の法面と竹林の織り成す心地よい風景。錫山自然遊歩道の野頭区間の魅力は何といってもこの竹林景色にあります。

余談ながら錫山自然遊歩道はその全長が他と比べて比較的規格外の部類に入る15km近くあります。場所によっては幅員が狭いのと猪や野犬等の野生動物の出没率が高い為注意が必要です(蕨も過去二回猪に近距離で遭遇しています)。

 

最初のカーブ。車道のうちでも林道に近い規格の道になっています。

軽より大きい乗用車では通り抜けは厳しいかと。

 

カーブの沢の上流側。竹。竹。竹。

 

かなりグネグネした嫌な線形をしています。

この旧道の存在が確認されるのは戦後すぐであり、それ以前には旧旧道が利用されていたと思われます。

それ以来線形の改良もされていないため、まぁ時代相応の車道といった感想です。

 

二つ目のカーブの沢はいくつかのダムで治山がされていました。

この遥か上を県道19号線は通っています。

 

そしてその脇に鉄塔巡視路。いつも思うのですが山の中の鉄塔の巡回・保守をする人は本当大変だと思います。

 

森。竹林。

道を境に木と竹が切り替わっているのが最高に芸術的ですね。

 

キリが悪いですがパート①は一旦ここまでとします。