今のプロレス、とっても面白いけど、やっぱり昭和のプロレスファンには、不満というか、違和感はあります。
人間の感覚って、差でしか認知されない。
いつも、500円のラーメンを食べている人は、800円のラーメンを食べると凄く美味しくかんじるかもしれない。
いつも1500円のラーメン食べている人は、800円のラーメンはものたりないかもしれない。
人間は、新たな刺激が加わった時に、元の刺激の強さに応じてその「感じる量」が変化する。
例えば光の刺激であれば、〝暗い場所ではほんの少しの光でも感じる事ができるけれど、明るい場所では少しの明るさの変化は無視される〟
100円のものが、10円割引になると凄く安く感じるが、10000円のものが、10円割引になっても、ありがたさを感じない。
これは、ウェーバー・フェヒナーの法則と言われる、「人間の感覚の大きさは、受ける刺激の強さの対数に比例する」という基本法則ですね。
【ウェーバー・フェヒナーの法則とは】
「感覚の大きさは、刺激強度の対数に比例する」という法則。刺激の弱いうちは感覚の大きさが上がりやすく、刺激が強くなると感覚の大きさは上がりにくい。
今のプロレスは、徐々に盛り上げるっていう、刺激強度を徐々に高めていくところが足りないというか、
第一試合からずっと盛り上げること考えているので、受ける刺激の感覚が鈍くなる感じを受ける。
昭和のプロレスは、序盤戦は、グランドの展開から徐々に盛り上げていったが、
今は、第一試合から大技がバンバン出るので、エンターテイメントとしては面白いけど、強い感動は生まれにくくなっているのかもしれないななんて感じたりもする。
まー、そうはいっても、今のプロレスも面白い。でも、
もう少し、余白を楽しむとか、想像を掻き立てるとか、
能とか、水墨画の世界観を盛り込んだらいいのになって思う。
静かなところでは、小さな水音でも敏感に感じるが、うるさい所では、ちょっとの音の変化は感じられなくなる。
最初から最後まで、派手な演出で、大技が繰り返されると、楽しいし面白いけど、後々まで残る感動は薄れる気がする。
だから、今のプロレスは、「はい、次、はい、次」ってなってしまってるんだろうね。
試合と試合の間が短いのも、テンポはいいかもしれないけど、前の試合をじっくり味わう、咀嚼する時間がなくて、僕としては「もう少しじっくり味わいたいよ」って思ってしまう。
ウェーバー・フェヒナーの法則は、もう少し、学んで欲しいなって感じますね。