「35年の35点 コレクションで振り返る練馬区立美術館」 練馬区立美術館
三回目行ってきました。
今回も、1回目2回目とは、またちょっと違った感想を持ち、凄く新鮮でした。
さて、今の世の中、パッパ、パッパと、「はい、次、はい、次」と、じっくり一つ一つを味わう間もなく、簡単にレッテルはりして、あたかも理解したかのような顔してるような風潮って、どうにも僕にはなじめないんだけど、
一人の人間だって、長く付き合っていたって、そう簡単に理解できるものではないし、理解したつもりになっていると、「え?嘘でしょ?」って、完全に裏切られることだってよくあるよね。
芸術作品ってそうゆうことも教えてくれるんだよね。最初見た時、何も感じない、いいとおもわなかった作品でも、何度か観てると、その時の自分の状況もあるんだけど、全然違ったようにみえたりする、そうゆうのが芸術作品に触れる楽しみでもあるんだよね。
さて、
僕は、練馬区美術館のコレクションは、練馬区民の御友達だと思っていますが、
今回、この35点を、一つの学校のクラスメートって考えながら見ました。
クラスメートって、本当に色んな個性の奴が集まっている。
学校のクラスメートって、特に仲のいい子とはよく話はしても、普段あまり話もせず、どんな奴だかよくわからない奴も結構いるよね。
でも、よくわからないなってやつでも、なんかのきっかけで話したりすると、急に面白く興味を感じたりするよね。
芸術作品も、そんな感じで、第一印象で、ピンとこない作品でも、作家のこととか、背景とか、自分の心境の変化とかで、感じ方が変化するのが面白いんだよね。
この日は、まず、山口薫。
自由美術協会で、長谷川三郎とか、村井正誠らと活躍した方ですが、
この方の作品、前回も気になったけど、今回凄く素敵に感じました。
なんかキラキラしていて、一瞬のきらめきを感じました。
そして、今日のMVPは、奥田元宋(1912~2003)
今日は、鑑賞前に、貫井図書館で、奥田元宋の2002年、90歳の時の練馬区美術館での展覧会の時の図録をしっかり見てから作品観たんだけど・・・
あーそうか、すっかり忘れていたけど、山種美術館で、とっても気に入った奥入瀬渓谷の紅葉の作品を描いていたのが、奥田元宋だったんだね。
奥様は、奥田小由女先生で、日展でお世話になっている方ですね。
図録で、奥田元宋先生の作品を観てから、改めて、今回の出展作品みると、じわじわその良さが迫ってきました。
作品の方から、僕の方に近づいてきた感じがしました。
今まであまり意識もしなかったクラスメートと、ようやく気が合うってことに気が付いた感じがしました。
さて、今日の時点で、同じクラスメートの中で、興味はそそられるんだけど、「あいつ一体何考えてんだ?」って、未だに謎なのは、山口長男。
大好きな荻須高徳と共にパリに行った方ですよね。
山口長男の作品は、謎が多いよなー。今日の時点で未だよくわからないけど、
ただ、一点物の良さというか、他には誰にもまねできない自分は自分でしかないという、強い個性を感じます。
1931年には、吉原治良、桂ユキらと九室会も結成するんだよね。
もっともっと山口長男は知りたいです。
まだ謎だらけだけど、御友達としてもっと親しくなりたいなー。