「空想 皇居美術館」 彦坂尚嘉 五十嵐太郎 新堀学

を読みました。


彦坂尚嘉の提案は面白かったです。

ただ、そこから発展しての展開は、個人的にはあまり面白くなかった。もっと面白く出来たんじゃない?とか思ってしまい、もったいないなって思いました。


とんでも提案かもしれませんが、なるほどなーって思うところもあるし、こうゆうブレーンストーミングこそアートだって思いました。

彦坂尚嘉についてもっと知りたいなという気持ちで買って読んだ本ですが、より彦坂尚嘉さんに興味が持てました。





@クリーンな社会は、記憶を抹殺する社会。


まさにそうだね。

今の潔癖症のような世の中は、記憶を、文化を抹殺してしまうね。

それを防ぐためにも、天皇陛下に京都御所に戻っていただき、皇居を、日本の明治以前の超一流の古美術の美術館にするっていうのは、ある程度賛成ですね。



@私たちは現在、明治維新以降の日本の近代社会の流れを、否定的に反省する必要があるのです。


@東京遷都。現実に明治天皇は、ちょっと行ってきます、と京都御所を出られて、そのままになっている状態です。京都にしてみれば騙されたという話になります。いまだに京都の人と話すと、東京の人は信用できない、あれは拉致だという声を聞かされます。




@君主や王様が住んでいた宮殿を美術館にするというのは、ヨーロッパでは普通のことです。ルーヴルも、エルミタージュも宮殿でした。リスボンの古美術を所蔵している美術館も宮殿です。紫禁城も現在は故宮博物院です。


@ほとんどの宮中祭祀は明治になってから作られましたし、祭祀にはすべての天皇が出なければならないという原則が確立されたのも昭和以降です。




@ピカソを見ていると、キュビズムの最後までは自分の好きな作品を造っていたのが、新古典主義に回帰するころからは他人を喜ばせるいわゆる「ペンキ絵」になっていきます。
キュビズムの段階で抽象を突き詰めていったときに、お客さんがいなくなるということをピカソはリアルに感じていたとおもう。



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