• ヤーコプ・ヨルダーンス(に帰属)
  • 1593年 - 1678年
  • ソドムを去るロトとその家族(ルーベンスの構図に基づく)
  • 1618-20年頃
 
この、「ソドムを去るロトとその家族」は、1978年に国立西洋美術館が、ルーベンス作品として購入し、結局都合4つの同名作品(ヴァージョン)が存在することが判明した作品です。
 
現在では、国立西洋美術館のものは、同じフランドルバロックのヤーコブ・ヨルダーンズのものと考えられています。
 
 
(ルーベンス、ヨルダーンス、ヴァン・ダイク、フランドルバロック)
 
 
 
この絵の内容はこんな感じです。
 
創世記第19章の「ロトの物語」に取材したこの大作には、画面いっぱいに、イスラエルの族長アブラハムの甥ロトが二人の天使に促されて、家族と共に罪深き町ソドムから逃れる場面が描かれている。
中央に配されたロトは町を立ち去り難い様子である。
ロトの背後で悲しみの表情を見せるのはロトの老妻、右端で財貨を運び出そうとしている二人の若い女はロトの娘たちである。
娘たちの暗い表情には、父親との近親相姦という、このあとに生じる背徳行為への暗示がこめられているのかもしれない。
中央奥に見える円柱も、うしろを振り返るなという神の命令にそむいて塩の柱に変えられる、ロトの妻の運命を予言しているかのようである。
 
 
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