「江天遠意図」 伝周文 室町時代前期 は、室町時代の水墨画のコレクションが凄い、根津美術館にあります。

 

 

図上に大岳周崇ほか11人の禅僧が着賛する典型的な詩画軸です。詩画軸とは、画中に多くの漢詩文をともない、そこに詩画一致の世界を形成する画軸。

 

ちなみに、最古の日本の詩画軸は、「柴門新月図」ですね。

 

禅宗の社会における隠逸思想と文雅の気風とがあいまって、相国寺(しょうこくじ)の画僧周文(しゅうぶん)らを中心に、ことに応永年間(1394〜1428)に盛行したんですね。

 

 

平遠とよばれる構図法による画面は現実感にあふれ、孤舟をつなぐ柴門(さいもん)の茅屋(ぼうおく)に松声を聴きつつ、江水(こうすい)を隔てた遠山を望む書斎生活の楽しさを詩画ともに詠(うた)っていて趣深いです。

 

この詩画軸は、書斎図ともいわれていますね。都会で暮らす禅僧が憧れた隠逸の地が描かれています。

 

 

如拙や、周文のいた、相国寺は、将軍家の直轄の寺院ですね。

 

ちなみに、「達磨・蝦蟇鉄拐像」を描いた明兆は、東福寺ですね。

 

 

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