昨年から大ファンになった、日展、今年の日展も、3回行ってたっぷり楽しませていただきました。
さて、日本画と洋画部門で、
953作品中、僕の気に入った作品を113選んで紹介しましたが、
さー大詰め!
いよいよ僕が今年気に行った作品ベスト20の発表の続き、
いよいよベスト7の発表です!!
第七位
★103、「冬の海」高田啓介
一目で、この作品いいなーって思ったら、案の定、昨年の日展で僕の気に入っ
た作品第一位に輝いた高田啓介さんの作品でした。
昨年の作品はこれ。
今回の作品も本当にいいねー。
冬の厳しい海、そしてそんな大自然の中で、しっかりと生きていく人たちの姿
も感じる。
たくましさを凄く感じる。
強さって、こうゆうことなんだろうなー。
第六位
★16、「予感」 新川美湖
日本画で僕のナンバーワンは、この二年連続で特選を受賞された新川さんの作
品でした。
ここでちょっとなぜ洋画ばかり気に入った作品が多く、日本画が少ないのかに
ついて説明しますと、
決して日本画のレベルが低いとかというようなことではありません。
これはあくまでも僕の個人的な好みの問題で、作品の良しあしなど僕なんぞ素
人には全くわからないので、そこはご了承ください。
すぐれた作品かどうかではなく、あくまでも僕が好きかどうかだけですので宜
しくお願いします。
で、もう一つ、これも作品自体のことではなく、日本画の評価が洋画より低か
ったあくまでも僕個人的な理由があります。
それは何かというと、
日展の日本画っていうと、僕個人的には、杉山寧、東山魁夷、高山辰雄という
イメージが強く、
あくまで個人的な印象ですが、その中でも、今回の出品作を見て、高山辰雄の
影響というか、高山辰雄風の作品が多いなって感じたんです。
ただ、そう感じてしまったがゆえにか、どうも僕の中で、高山辰雄と無意識の
うちにでも比べてしまっている自分がいたように思うんです。
素晴らしい作品沢山あったけど、高山辰雄作品と比べてしまうと、ちょっと物
足りなさは、あくまで個人的にですが、感じていたかもしれません。
で、そんな中で、新川美湖さんの作品は、高山辰雄の流れを感じつつも、新し
さというか、新境地を開いた感じを受けたんです。
伝統をしっかり大切に受け継ぎながらも、新たなものを提示してきたって感じ
を受けたのです。
新川さんの作品、これは、画像だと伝わらないけど、実に美しい。
細かく美しい。
この方の作品は追っかけてみたいなーって思いました。
第五位
★63、「梅雨入り」 吉岡珠恵
かわいいねー。
たまんないね。
子供たちを学校に送り出し、その姿を、上から見守っているときってこんな感
じなんだよなー。
ビニール傘におちる水滴の表現も、なんかかわいい。
思わず声かけてしまう。
いってらっしゃい!
第四位
★99、「更に上に」 伊藤尚尋
この子は、引きごもりがちだったのか?自分が何をしたいのか、自分はどう生
きたらいいのかずっと悩んでいたのかもしれない。
チャレンジしろって散々言われてきても、なかなかその気になれなかったのだ
ろう。
でも、本当に普段着で、ちょっと見渡せる小高い山に登ってみたら・・・そこ
からみえる風景があまりにも新鮮。
自分が今まで全く知らなかった風景がそこに広がっている。
うん、初めて外の世界に興味が持てた。
絶対次は、きちんと装備してもっと高い山に登ってみたい。そうしたらもっと
もっと美しい、今までの自分が知らなかった世界が見えてくるはず。
引きこもっていたらいつまでたっても、積極的になれない。
小さな成功体験が、より大きな成功への好奇心、チャレンジ心を産む。
なんか凄い前向きになれる作品でした。
第三位
★57、「黒への誘惑」 西田陽二
昨年は白だった。今年は黒。
ちなみに去年の作品はこれ。
この方の作品、本当にいいねー。
去年より今年の方がよりよくなっている気がする。
何といっても、背景の黒がいい。
黒の背景には、鳳凰の絵が描かれている。
なんておしゃれなんだ。
黒への誘惑。え?黒ってどこ?
・・・ドラマの続きが見えてきそうです。
この作品だけを、照明のいい美術館で、一人でじっくり改めて鑑賞したいです。
第二位
★43、「すばらしき世界」 児島新太郎
児島新太郎さんって、金沢学院大学の准教授なんだそうですね。
さすが金沢だなー。
この作品、もう釘付け状態で、何度も何度も繰り返し見に行ってしまいました。
まず、姿勢がいい。
力んでないけど、意思の強さを、特に握っている手に感じる。
壁に、人生の荒波を感じる。
人生のいろんな厳しい状況の中で、まさに、不動心。
何があっても、あわてず騒がず、軸足をブラさない強い女性を感じる。
強いんだけど、力んでない、涼やか。
観音菩薩のよう。
こんな女性に支えられた男は、命がけのチャレンジが出来るよなー。
未来への希望も見えるようで、この作品大好きです。
こうゆう作品を、近くで飾りたいものだ。
そしてそして、沢山の作品の中から、僕の気に入った作品第一位は!!
第一位
★12、「波音が聞こえる」 木原和敏
木原和敏さんのこの作品でした。
なんて美しいんだ。なんて素敵なんだ。
広島の木原さんが、現地取材して描いたこの作品。
僕には、この女性は、実は耳が聞えていないのでは?って感じました。
耳が聞えないから、世の中の色んな雑音が聞こえてこない。
特に今の日本は、テレビつけても、フェイクニュースばかりで雑音だらけ。
どうでもいいくだらない音が次々に垂れ流されている。
「波音が聞こえる」というタイトルは、耳が悪く、そんな雑音が聞えないから
こそ、自然なピュアな音だけが、この女性に届いてきているように感じる。
あまりにもピュア。
どんなフェイクも、この子は騙せない。
世の中にあふれかえる、どうでもいい雑音に嫌気がさす毎日にあって、この作
品は、そんな雑音を振り払ってくれるかのように感じました。
素敵すぎる。
いやー、今年の日展も本当に素晴らしかった。
まだまだ何度も行って、沢山の名品をもっともっと味わいたい気分でした。
(おわり)