2018年 第94回白日会展 国立新美術館
で見た中で、いよいよ僕が気に入った作品ベスト10の発表です!!
第10位 「宵の月」 小森隼人
出た!また会えた小森隼人さん!
いやーいいねー。
この作品、僕が見ているというより、見られている感が強いんだよね。
そしてこの女性、僕には霊能者に見える。
僕をじっと見ながら、実は、僕の前世とかみていたり、僕の守護霊さんとお話ししている。
僕の知らない僕のことを、この女性は見ている。
そんな作品に感じます。
第9位 「私の世界」 佐藤孝洋
この作品は面白いねー。
ちょっと変わっているんだよね、この子も、この作品も。
ちょっとめんどいけど、魅力ある子なんだよね。
俺はこの子に負けないぐらい変わっているから、この子に凄い魅力感じる。
作品としても、髪の毛の凄い写実的な表現と、なんかちょっと一見雑に感じる描き方のギャップに魅力感じるね。
第8位 「明けに色づく」 和田直樹
写実表現の静物画も沢山あったけど、一番良かったのはこれですね。
静物を描きながら、それぞれの静物の描き方の強弱があってそれがとてもいい。
ずらっと同じように描くのではなく、この作品は、イチゴをメインに、イチゴが目立つように描いている。
イチゴのクローズアップが凄いんだよね。
それぞれの静物が演劇における役者なんだけど、きちんと、主役のイチゴが生えるようにそれぞれが動いている。
見事!
第7位 「silense」 阿部良広
いや~~、この作品大好き。
僕が感じたのは、たぶん二人は姉妹なんだよね。
で、父親がどうしようもない奴で、ろくでもない奴で、結局妻と二人の娘を残して離婚しどっかに行ってしまったんだろうね。
そんなどうしようもない父親なんだけど、二人の姉妹にとっては、愛する大切なお父さん。
妹はどっかにそんな父親の姿を追っかけていたのかもしれない。父親になんか似た、どうしようもない男に惚れてしまい、まー結局ボロボロにされて捨てられてしまうんだよね。
そんな妹を、「あんたがバカだったのよ」と、思いつつ、父親に似たろくでもない男に惚れてしまった妹の気持ちもわかってしまう姉。
なんかとてつもなくせつなくなるね。どうにかしてやりたくなる。
十字の構図も、なんか十字架を思わせる。
いやー素敵な作品でした。これが一位でもいいね(だったら一位にしろよ!!!)
第6位 「余白の創造・・・君と黎明の願い」 光元明弘
これも本当に素敵な作品でした。
一見イケイケ風で、現代的な街にいそうな女性だけど、意外と古風。
男ってバカだから、「意外と古風」ってやつに弱いんだよね~~~。まー俺もそうだけど。
桜の花の中で、見事に桜に同化している。そして桜と一体化し会話している。
なんか化粧品のポスターにもなりそうな本当に綺麗なおしゃれな作品。
「意外と古風」・・・これ・・・やられちゃうよね。
第5位 「渚の青い風」 果醐季乃子
うわー、素敵。風を感じるな。
なんかマリンリゾートホテルに飾ってほしい作品です。
第4位 「遊魚図」 堀井聰
第一印象で、「あ、凄い、間違いなくこれが一位だな!」って思った作品。(だったら一位にしなさいっていうの!!!!)
ワンダフル!もうそれで十分すぎるでしょ!
第3位 「「雪の夜」 白井秀夫
これはじっくり、しっとり、心に染み込んでくる作品ですね。
マッチ売りの少女じゃないけど、雪の中で、なんでこんなにぬくもりを感じるんだ。
旅好きの僕には、旅心を揺さぶられる、たまらない作品です。
こうゆうところ、随分行ったよなー・・・。
第2位 「さかのうえのまち。」 津絵太陽
白日賞を取ったこの作品。
本当に素晴らしかったです。
モノトーンなのに、その立体感、遠近感が凄い!
微妙なぼかしも、遠近感をくっきりさせている。作家は、若い大学生だそうだけど、凄いテクニック。
この女性も、モノトーンなので、どこか過去のこの街とか、過去の自分のことをみているよう。
浮ついてない、真剣なまなざしにドキリとさせられます。
傑出した、凄すぎる作品でした。
そして、僕の気に入った第一位は!!
第1位 「月光」 加藤裕生
多分作品としては、 「さかのうえのまち。」 津絵太陽の方がずっと上なのでしょうが、この「月光」には僕自身の個人的な思いが、ドドド!!って押し寄せてきて、超個人的ではありますが、不動の第一位とさせていただきました。
この女性、多分、地方から、就職で、東京で頑張ろうと、一人暮らしで出てきたばかりなのだと思う。
慣れない東京で、知り合いもない中、会社では、一応周りからは優しくしてもらっている。
昼間制服を着ているときは、この会社に自分の居場所というか、自分がいても、東京で唯一ともいえる場所として感じることがやっとできるようになった。
でも・・・昼間制服を着ているときは優しくしてくれていた周りの人たちも、私服に着替えると、会社とは違う自分の居場所にそそくさと帰って行ってしまう。
・・・でも自分には、まだそんな私服の私を受け入れてくれる、自分の居場所なんてない・・・。
多分、私服に着替えた後、「じゃあ、私はこれからどこに行けばいいのよ!」って思って昼間やっと自分の居場所を感じ始めた会社にいつまでもいるのかもしれない。
この絵の場面は、私服に着替えた後、でも私服で自分が行く場所もなく、一人会社に残って、さっきまでみんなで会議とかしていた机にとっぷして、「私服の私も受け入れてくれるの?」って思っている・・・。
この作品の、会社のテーブルの存在感は大きいけど、自分の存在感は小さい・・・。
なんか凄く感じるものがあります。
僕もサラリーマンやっていたけど、かろうじて、ろくでもない使えないサラリーマンだったけど、スーツを着ているときは、なんとかかろうじて、会社にいても居場所的なところはあった。
でも、・・・私服に着替えて、そこの自分の居場所があったかといえば・・・。
今、サラリーマンを辞めて、自営業の世界では、自分にとって、お店はまさにオールタイム、自分の居場所。
今も休日に、ワイン飲みながら、店でこのブログ書いている。
なんというかなー、「自分がいていい場所、自分の居場所」があるって本当にうれしいことだよね。
家族の中、会社の中、友達の中、自分の居場所がないって一番つらいよね。
今、しっかり自分の居場所を持っているけど、かつて、そうでもなかった自分にとって、この作品は、・・・色んな意味でしびれるんだよね。
最高でした。
本当に色んな公募展のある中、白日会は大好きになりました。
あー、来年まで待ち遠しいよ。
来年も凄く楽しみです。
さて、その4では、ミニ鑑賞会の様子をレポートします。