1980年に童窯を始める前にいくつかの準備をした。土(粘土や白絵土)や釉薬に使う長石を掘りに行くこと、そして灰(木灰、藁灰)

いろいろな鉱物を拾いに出かけた。

 特に木の灰はいろんな木を燃して作った。その中で気に入ったのは栗、楢、欅、柿、松など。広葉樹はたいてい釉薬として使える。実のなる木はその木特有の色がでる。針葉樹は赤松以外は使いづらい。

 最初栗は何軒かのお菓子屋さんから剥いた皮を頂いて使っていた。本当にやさしいいい色が出た。何年かしたらその栗を使うと黒い斑点が出るようになった。1200度で焼いても残るものはなんだろう?と思って調べてみた。原因はつかめなかった。仕方がないので栗の木を三本植えた。この木のイガ、皮、枝、幹をストーブで燃して灰を取る。これをふるいで濾して(80目から120目くらい。とても細かい。)そのあと上澄みを捨てながら灰汁(あく)を抜く。この灰汁は染物の焙煎材として使える。焼き物屋と染物屋で使えるのて、ほとんど捨てるところはない。ふるいを通らない粗い灰は畑にまく。栗は食用にもなる。これはおまけ。秋の楽しみでもある。他の木も同様にして釉薬原料になる。

 鉱物も砕いて細かくして釉薬に混ぜる。砕けないときは一度燃やすと砕けやすくなる。乳鉢で擦ってから混ぜる。

鉱物によって多様な色が出る。

 

 焼き物が大量生産された70年代から90年代にかけて、廃棄物として捨てられ、埋められた量はどれぐらいになるだろう。

 90年代の終わりころから再処理の費用に補助金が出るようになり、細かく砕いて建築用の焼き物の原料として使っても赤字にならなくなってきた。リサイクルの始まりです。

 それ以前から陶器を細かく砕いた「シャモット」磁器を砕いた「セルベン」という名前で焼き物の徐ねん材や耐火度を上げるためなどに使われていました。地球からいただいたものを返していく形が出来上がりました。ただ、まだまだ少ないので、意識の変化を促していかないといけません。

 釉薬(うわぐすり)は特殊なものは別にしてほとんど自分で調合します。

基本は長石に灰(木灰、藁灰、籾灰)を調合します。藁灰は黒く焼きます。籾灰は白くなるまで焼きます。

調合の割合によって、色合い、耐火度が変わってきます。調合を間違えると流れて下の棚板にくっつくこともあります。

釉薬が溶けない場合もあります。

 中津川周辺はいろいろな鉱物が採れます。希少金属もあります。採ってきた鉱物を細かく砕きます。

それを釉薬に加えると色々ないろがつきます。

色は焼き方によっても変化します。