「親性に翻弄される」
Acrylic gouache on canvas
SM(227×158mm)
2023.12
愛だの絆だのとのたまい
自分勝手な親性を注ぎ
子どもを翻弄させる
僕は愛されてた
だけど
僕が求めたモノとは似て非なるもの
望んで、求めて、ねだって
でも
伝わらなくて求める事はもう止めた
僕は冷たくなった
それでも
燻る煙草の葉のように
求める気持ちが心の隅のどこかで煙を上げ
僕を翻弄させる
少年画コンセプト
「親性への欲求」
テーマ:人間とモンスターの境界線
モチーフ:般若
説明
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能などで有名な、般若の面。
これは「嫉妬に狂った女」であり、女が「生成・中成(般若)・本成」の三つの段階に渡り、鬼や大蛇に変貌する様子を表現しています。
それを少年画のモチーフとして描けば、一体どうなるのかと考え、製作した作品です。
般若は愛憎によって狂いましたが、少年の場合、何を求め、鬼に変貌するほどの嫉妬や強い執着を覚えるのだろうか、と考えた時、未成年の子たちは「親の愛情」に強く反応するのではないか、と感じ、表現のポイントとしました。
ほんの半世紀以前と違い、現代社会には様々な情報が氾濫しています。
その中で生きる、思春期の子たちは、真偽も分からない、膨大な情報や様々な脅威に触れる機会が増えました。
現代人は、大人も子どもも、年齢だけを重ねて精神が伴わず、承認欲求だけが肥大化し、溺れている印象が否めません。
この様に、大人になりきれない人間が増える中で「親」が「子」に与える愛情に満たされれば、「彼ら・彼女ら」は他人からの評価が全ての生活ではなく、自身が精神的に自立し、自分の足で生きてける道が開けるのではないか。
そう考え、今回、遠回しながら「子どもが求める親性」を表現しました。
「大勢がそれを最善だと信じた〜そして僕は行き場を失い宇宙へ飛んだ〜」
Acrylic gouache on canvas
M10(530×333mm)
2023.06.01
それが結果的に間違いであっても
大勢がそれを最善だと信じた
人間という生き物にとって最善とはなんだろう
改善されない現状に最善策を取る事なのか
未来の命にとって最善策を考え実行する事なのか
そもそも
その最善に永劫性はあるのか
こあれはあれで良かったんだと将来を背負う今の子供達が社会に出た時に納得してくれるのか
過剰な正義を歌う者の最善策
僕には到底理解できない
そして僕は言葉を無くし行き場を無くし
空高く飛んでゆく
今、この瞬間、苦しんでる人の光になりますように。この子達が300年500年先のどこかの誰かの光になりますように。
3年後5年後の僕自身の光になりますように。