面は変わる、心は変わらぬ。
The mask changes, the heart does not.
「記憶の静かなノイズ/Silent Noise of Memory」
Oil on canvas
F3(273×220mm)
2025.08
疲れた
僕はただアナタの愛が欲しかっただけ
少しでも僕の言葉に耳を傾けて
少しでも僕に寄り添った
アナタなりの僕自身に向けた愛が欲しかっただけ
ワガママなのは分かってる
どうしようもない欲求
小さな頃からずっとそうだった
でもアナタは型にハマった言葉ばかり
教科書通りの愛情なんて誰でも表現できる
アナタは自分本位で生真面目で
教科書通りの世界しか知らなかったんだよね?
仕方がないよね
人には得意不得意がある
もう疲れたから僕は眠るよ
バイバイ
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「Fractured 記憶 余韻」シリーズ-[記憶の静かなノイズ —/Silent Noise of Memory]
「愛されていた」と「愛されたかった」のあいだには、語られない断層がある。
この作品は、親性欲求と防衛的変容の視点から、記憶の中に沈んだ“ズレ”の輪郭を浮かび上がらせたものだ。
仮面のような表情、にじむ色彩のノイズ――
それらは、望まれなかったかたちで満たされた愛が、人格に残した静かな痕跡である。
これは忘却ではなく、変容である。
崩れた愛のあとを、生きるために装い直した「わたし」の肖像だ。
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本作は、日本の現代漫画・アニメ文化に根ざしたキャラクター造形と色彩感覚を用い、日常の親子関係における微細な愛情のズレを主題としています。
親子の在り方というテーマは文化や時代を問わず普遍性をもち、与えられた愛のズレによる子どもの心理的防衛や人格変容を視覚化することで、新しい価値を提示しています。
歴史的・宗教的題材から離れ、現代の個人的かつ日常的心理を絵画的手法で表現する試みです。
今、この瞬間、苦しんでいる人に光として記録されますように。
この子たちが、300年、500年先の誰かの心に届く光として歴史に残りますように
