前の記事の続きです。
ジョー・パス ファンの私といたしましては、彼の魅力は数あれど、一押しネタは「ひとりバンド」だと思うのであります。
ドラムもベースもピアノもトランペットも….彼の演奏の中には全部あります
今回の練習法はギター以外の方にも有効です。
ギターに限らず、ソロ(一人)で演奏する時の「最大の敵」はリズム(タイム)・キープです。
たった1人でインテンポ(テンポ通り)で演奏できるのは、アンサンブルに関わる全ての人が出来た方がいい(出来るべき)演奏技術なのですが、ついついドラムやベースに「下の方」を任せちゃって、適当なリズムで弾いてしまいがちです(私も含め・・・)
ぶっちゃけ、伴奏がしっかりしてたら、ずーっと同じ音を延ばしていても絵になってしまう事はみなさん薄々お気づきだと思いますが、その怠け癖?が一人(ソロ)になった時に一気に負の要素として自分に襲いかかるのです・・・
よく、メトロノームか?伴奏トラック(カラオケ)か?という論争を聞きますが、
耳の為には伴奏トラック(コード感を養う)
タイムの為にはメトロノーム(リズム感を養う)
それぞれの目的を持った練習するのがおすすめですね。
ジョー・パスの演奏の魅力の一つは、たった一人でインテンポ演奏を(どんなテンポでも)出来てしまう!ということですが、それをする為のテクニックをちゃんと用意しているのですね。
一直線に進んで行くリズムと、よどみなく、かつ解り易いメロディラインは後に多くのフォロワーを産む素晴らしいギタリストです。
そんなジョー・パスのソロギターから練習法をパクってみましょう!
「伴奏が主役、ソロが脇役」
ジョーパスがインテンポを演奏する時に良く使う手法で「伴奏とソロを交互にやる」というのがあります。
次に紹介する譜例を弾いてみてください。
まずは有名なスタンダード "So What"です。
譜例1)"So What" [Miles Davis]
メロディと伴奏が込みで一つのテーマになっています。いわゆるコール&レスポンス(ボケとツッコミ)系のジャズ・スタンダードですね。
このような曲は珍しい訳ではなく、他にも多数あります。
譜例2)"Mornin" [Bobby Timmons]
譜例3)Stompin' At The Savoy[Edger Sampson]
メロディの相方(間の手)が最初からアレンジされていて、その形のまま皆んなに広まって行きましたので、セッションの場でもこのアレンジが演奏されます。
他にも、
Sister Sadie [Horace Silver]
Gingerbread Boy [Jimmy Heath]
Blue Train [John Coltrane ]
等、自分でも調べて探してみてください。
聞いてるうちに「なるほど、これがコール&レスポンスか〜」ってなるはずです。
これを利用してこんな練習をしてみましょう。
ひとりバンドのやり方です。
譜例4)Blues in C
上記の譜例は12小節のブルース進行です。
リズムが指定されてるところには必ず伴奏を弾きましょう。
その間はあなたの自由時間です(青の部分)
始めからいきなり伴奏とコードを一緒にやるのは難しいので先ずは伴奏だけをメトロノームに合わせて練習してください。
慣れて来たら簡単なメロディを創作して伴奏の間に入れてみてください(マイナー・ペンタがおすすめ)
この練習法は伴奏が主役です。アドリブが伴奏の邪魔をしない様に上手くはめないと、リズムは崩れてしまうでしょう。伴奏を主役としてアドリブする訳です。
譜例5)Blues in C(アドリブ例)
この練習は他の楽器又は複数の人でやる事も可能です。アクセントは必ず演奏してソロを順番づつやるとか、管楽器の人は伴奏の部分を単音ルートでやるとか。
今回のコール&レスポンス奏法はジョーパスのどのソロ・ギター・アルバムで聴く事が出来ます。
彼がインテンポで演奏している時はシングル・ノートとコードが目まぐるしく交差して、伴奏とメロディが互いに会話している様な状況を作っています(アドリブで)
調子の良い時の彼ならば、猛烈に早いテンポでもタイム・キープしながら、伴奏とメロディのスイッチングを平気な顔をしてスラ〜っとやっちゃいますカッコイイ〜(ハゲるなら彼の様になりたい〜)
私的にはこの3枚は是非聴いてもらいたいアルバムです。
特にBlues for 何とか というタイトルがついてる曲はジョー・パスがその場で適当に作ってる?と思われ、遊びまくっていますので、いろんなテクニックが楽しめます。
と、いう事で本日はこれまで〜
本の宣伝
こちらの本の1曲目のMistyはジョーパスに捧げたアレンジになっていますのでチェックしてみてください。