このブログは洗足音楽大学の授業How to Improvise の予習復習用に書いております。履修学生の方に特化した内容ですので、御理解の上お楽しみください。

 

How To Improvise第2クールは

 

Be-Bop

 

課題はリズム・チェンジです。

 

リズム・チェンジとは何か?

 

それは、授業の中で説明致しますので、乞うご期待…

 

 

ニコニコ皆さんはこの機会にBe-bopをたくさん聞いてみてくださいね。

 

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

今回そして次回の2回に分けてBe-bopのアドリブを演奏する時に重要な要素である「コード・トーン」を使ってメロディ(フレーズ)を作る方法を紹介します。

 

上差し「3つのコード・トーン・ソロイング」

 

part1)ネイバー・トーン&転回形

 

part2)7-3の法則

 

part3)テトラトニック

 

ルンルンルンルンルンルンルンルンルンルン


右差しpart1「ネイバー・トーン」

 

とは「近く(隣)の音」です。

 

コードが変わる時はなるべく近く(隣)の音に行きましょう〜というテクニック?です。

 

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあと
 
まずはトライアド(3和音)を使って説明します
 
進行は1625(C A Dm G)です。
 
先ず、
1625進行( C A Dm G )の「 ルート・ポジション 」の「 トライアド 」を
 
譜面に 書いてみましょう。
 
譜例1)ルート・ポジション
 
譜例1を見ながら弾いてください。
 
音が飛びすぎていて見にくい(弾きにくい)ことないですか?
 
あしあとあしあとあしあとあしあとあしあと
 
「転回形」
 
上差し次は同じコード進行を転回形で書きましょう。 
 
譜例2)転回形

なるべく動きが少ない内声を作りました
 
最短距離のヴォイシング(内声の配置)

どうでしょう?

やりやすい(弾き易い)しスムースに感じませんか…?
 
(転回形の説明は既に楽典等で勉強してると思うのでここでは省きます)
 

転回形の目的は

なるべく動きが少ないヴォイス・リーディングを作る事です。

(ヴォイスリーディング=内声の動き)

 

どうでしょう?譜例1を見ながら弾くより、

やりやすい感じ、しませんか?

 
もやもやもやもやもやもやもやもやもやもや
 
何故転回形を使うと何が良いのか?
 
「弾きやすく」そして「美しく」する為にいいのです。(頭は使うけど)
 
上差し「弾きやすく」というのは、ピアノで見れば一目瞭然です。
 
目の前に12個の音が順番に並んでいるので、次のコードへの最短音がすぐ分かります。
 
鍵盤以外の楽器は頭の中で転回形を作ってそれを楽器に反映させなくてはなりません。
 
転回形に関しては、ピアノを使っての学習が効率的でしょう。
 
上差し「美しく」?コードの内声は動きがなるべく少ない方が「美しい動き」とされています。
 
転回形は慣れるまで少し戸惑うかもしれませんが…楽譜に書いたりして頭の中で作れるようになりましょう。(そうすると便利です)
 
キョロキョロ次のコードの近い音(ネイバートーン)は、転回形が頭に描ける様になると分かるようになります。まずは貴方が練習したいコード進行のコード・トーンを転回形を使って書いてみましょう。
 
 
練習問題…
転回形を使ってなるべく近くの音でコードを書いてみましょう〜
 
転回形が作れると、近い音が分かりますよね?
 
次はネイバー・トーンを使ってコード・トーン・ソロイングを作ろう〜です〜
 
 
上差しコード・トーン・ソロイングというのは、いわゆるアルペジオの練習とは違います。
 
アルペジオの練習とはコード・トーンが自分の楽器の中にどのように配置されているか?ということを習得するのが目的であるといえます。したがって、なるべく幅広い音域で様々な音程で、コード・トーンを練習することが好ましいです。
 
それに対してコード・トーン・ソロイングは、コード・トーンの中から「音を抽出する」ことです。
 
抽出とは?メロディを作るという事です。
 
コード・トーン・ソロイングは作曲のアイデアでもあります。
 
 
上差し実際に転回形を使ってメロディを作ってみましょう。
 
 
転回系によって作られた動きの少ないヴォイス・リーディングを見てください(譜例2)
 
Ex1)
次のコードに行くとき必ず近くの音(又は同じ音)に行く
 
Ex2)順番はどうでもいいのでネイバートーンに行く
 
 
Ex3)ランダムに〜
 
Ex4)リズムを加える
 
上差し7thコードの場合も同じです
 
譜例3)転回形によるヴォイスリーディング(最短距離のヴォイシング)
 
譜例4)転回形によるヴォイスリーディング別ヴァージョン(最短距離のヴォイシング)
 
上記の様にいろんな転回系を作っておいてそれを見ながらネイバートーンの練習をしてみましょう。
 
Ex5) 譜例3を使ってメロディを作る
Ex6) 譜例4を使ってメロディを作る
Ex7) 譜例3を使ってメロディを作る
Ex8) 譜例4を使ってメロディを作る
 
 
Ex9) 
 

ただコード・トーンを弾くのではなくどうやったら音楽的なリズムを加えられるかいろんな工夫をしてくださいね

 

上差しコード・トーンを使ったアルペジオのエキササイズを作って行くのも楽しい練習の一つです。

 

アルペジオ・エキササイズ(色んなコードタイプで練習しましょう〜)

 

arpeggio ex1)

 

arpeggio ex2)

 

arpeggio ex3)

 

arpeggio ex4)

 

arpeggio ex5)

 

arpeggio ex6)

このようなアルペジオ・シークエンスを自作しそれらにリズミックなバリエーションを即興で加える練習等DIYをしましょう〜
 
 
あしあとあしあとあしあとあしあとあしあと
 
上差しコード・トーン・ソロイング(書きソロ例)
 
 コードが変わる時に最短距離(ネイバートーン)で次のコード・トーンにつながっています。
 
 
真顔ここで、小ネタを1つ・・・
リズミックなアイデアを得る為に既成の曲のリズムをモチーフにするのも良いでしょう。

上差したとえば、チャーリー・パーカーのビリーズバウンスやコンファーメーション等の素晴らしいリズミックアイデアをパクリンコしてみましょう。


Ex9) Billie's Bounceをモチーフに・・・

Ex10) Confirmationをモチーフに・・・

Ex11) Au privaveをモチーフに・・・
 
ハートラブラブハートラブラブハートラブラブ
 

Charlie Parkerのメロディの中にはビバップの2代要素である、ハーモニーとリズムが絶妙なバランスで出てきます。
 
彼のメロディは単旋律にも関わらず「必ず」ドラムとピアノが両方聞こえちゃうのです。(一人バンド)

彼が活躍する1940年代以前のスイングジャズ(1930年代)の時代、メロディは単純な繰り返し(リフと言われていた)の曲が多く、コード進行とのシンクロ度合いもそんなに細かなものは在りませんでした。(殆どの曲がⅠ-Ⅳ-Ⅴのシンプル進行)
 
 

メロディの中にあるリズム自体も複雑なアクセントが少なく、メロディはメロディ、伴奏はリズムセクションと、分業になっていました。

 

そういったスイング・ジャズをビバップに発展させていったのが、チャーリー・パーカーを中心としたビバップ世代のミュージシャン達です。

 

彼らは単旋律のメロディの中にビートとアクセントとコード進行を同時に表現して行くという画期的な手法を発明しました。

 

Be-Bopとはリズム&ハーモニーが一体となったのスタイルなのです。

 

「独りでもスィングを表現できる!」

 

其のコンセプトに多くのミュージシャンが惹かれ、フォローしていくのであ〜る・・・

 

パーカーはその中でも特にリズムがユニークかつ大胆なアイデアの持ち主でした。
Charlie Parker Bud Powell Thelonious Monk Dizzy Gillespie 達の曲の研究、そしてもちろん演奏は是非聞いてみてください。

パーカーはタップダンスが大好きで、街角で踊ってるタップダンサーのビリーを見てビリーズ・バウンスを思いついた、と、なんかで読んだことがあります。とまあ、かなりうんちくになってしまいましたがさらなるコード・トーン・ソロイングは次週に続く…
 

次週は

7-3の法則&テトラトニックです。

 
 
右差しコード・トーン・ソロイングを練習するにあたって念頭に置くべき注意点

・コード・トーンを自分の楽器を使って覚える(アルペジオ練習)
・コード進行に沿ってインテンポで演奏できるように練習する。
・リズミッックなアイデアを意識する。
・手で音を選ぶのではなく、頭でコントロール(なるべく)しよう。
・先読み。次ぎにくるコードを想定しスムーズに音から音に繋げるよう事を心がけよう。
など、
など、練習するとき注意してくださいね~
 
 

 

 

 

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