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このブログは洗足音楽大学の授業 How to Improvise の予習復習用に書いております。

履修学生の方に特化した内容ですので、御理解の上お楽しみください。

 

今回の授業内容は

 

1.モードのcharacteristic note(キャラクタリスティック・ノート)

2.モードのベース・ライン

3.モードの伴奏(コード)

 

の3つです。

 

まずは

 

右差しモードのキャラクタリスティック・ノート

 

キャラクタリスティック・ノートとはモードの特徴を表す音です。

 

長いので「キャラ音」にします

 

メジャースケールの7つのモードはそれぞれ、キャラ音を持っています。

 

その音があるからそのモードなんです。

 

右差し各モードのキャラ音

 

 

スケール内の赤丸がそれぞれのモードのキャラを表す音です。

 

って言われても「だから?」ってなりませんか?

 

そこで…

 

 

右差しモードのベースライン

 

真顔質問です、こちらのベースラインのモードはなんでしょう?

 

Ex.1

 

チューマイナーって事はわかるけど?うーむ、ドリアンっぽい感じもするし…エオリアンかなぁ、って感じで悩みませんか?

 

このベースラインにはモードを決定する為のキャラ音が含まれていないので、♭3が含まれるマイナーだったらドリアンでもエオリアンでもフリジアンでもいいんです。

 

真顔ベースは楽曲のキャラクターを決定づける大切なパートです。したがってベースラインでモードサウンドを表す勉強をすれば、モードとは何か?確信に近づいていくと思います。

 

注)Ex1は、5度が含まれているのでロクリアンはではありません。

 

キョロキョロモードを決定づけるキャラ音を入れない事で自由度の高い音選びができます。・・・が、もしあなたが「どうしてもこのモード・サウンドでバッキングトラックを作りたい!」と思うならば、モードのキャラ音を使ってベースラインを作ればいいのです。

 

上差しモードのベースラインを作ってみましょう。

 

Ex.2 Dorian =♮6

クール&都会派!?マイナー系モードなので♭3を入れる。キャラ音は♮6

 

 

Ex.3 Phrygian =♭2

ダーク&民族派!?マイナー系モードなので♭3を入れる。キャラ音は♭2

 

Ex.4 Lydian =#4

ミスティック&抽象派!メジャー系モードなので3を入れる。キャラ音は#4

 

Ex.5 Mixolydian =♭7

エキゾチック&自然派!?メジャー系モードなので3を入れる。キャラ音は♭7

 

Ex.6 Aeolian =♭6

ドラマ&印象派!マイナー系モードなので♭3を入れる。キャラ音は♭

 

Ex.7 Locrian =♭5

ミステリアス&中東派!マイナー系モードなので♭3を入れる。キャラ音は♭5(♭2も入れた方がロクリアンっぽい)

Ex.8 Ionian = 4

ハッピー&清純派!メジャー系モードなので3を入れる。キャラ音は4

 

上差し各モードには必ずモードのキャラ音を入れていますので、しっかりとモード・サウンドがベースラインだけで聞き取れます。

 

ドクロ注)ベースラインには必ずキャラ音を入れなくてはならないのですか?

 

ゲッソリNo,No.No!

 

それは違います。モードを表す要素は、ベースラインだけではなくコードやメロディーの中にも含まれるので、ベースラインのみにキャラ音を背負わせる必要はありません。

 

 

おねがいしかし・・・

ベースだけだったら寂しいよね?

 

 

っと言う訳で

 


右差しモードの伴奏


私が良く受ける質問に「1発物の伴奏ってどうやるのですか?」というものがあります。

 

真顔確かにモード曲の代表といえば

ば"So What"や"Impressions"など

 

同じコードが延々と続く曲が多数です。

 

「ずっとDmを弾くのかな?」 

テンションは押さえていいのかな?」

「ウォーキングベース」はどうやってやるのかな?」

 

等の質問も・・・・

 

「モードにコードってあるんですか?」

 

という質問も良く受けます。

 

滝汗モードは謎に包まれていますね?

 

キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ

 

?何故こんな疑問が湧いてくるのか?

 

モードは日本語で「旋法」といいますが、フレーズ、メロディ等「単音」の為にある物という先入観があるのではないでしょうか?

 

??こういった先入観は何処からくるのか?

 

それはいろんな本に乗っている例の奴・・・
 

「DmはDドリアン」

「G7はGミクソリディアン」

「CMaj7 はCアイオニアン」

 

と、謎の呪文が…?えーん

 

 

おねがいもうボチボチ・・・

 

モードとはメロディでもフレーズでもコードでもない…
 

In other words!

 

単音でもいい、

 

和音にもなれる、

 

メロディにもベースラインにもなれる、

 

フレーズも作れるし

 

雰囲気

 

色彩

 

空気まで作れる!

 

正に色即是空、空即是色の世界なのである!

 

口笛とは、教則本に書けないので「DmはDドリアン」…ということになるのです。

 

モードはそのキャラを使って遊ぶのが1番分かりやすいですよ

 

ニヤリモードを使って様々な色彩を味わえる楽しい実験をいたしましょう


上差しインターバル・ヴォイシング


スケール内の音程を使ってモードの色彩を更に豊かにすることが出来ます。
 

 

右差しメジャー・スケール内にできる2音間の音程

譜例1

 

ピアノやギター等複数音が出せる楽器で確かめて下さい。音程にもキャラがあるでしょう?

注)6thの6番目の音程にミスがあります。正解は(A F)です。(動画も同様)

 

右差し音数を増やして


3音間の音程はこれだけできます。


22.32.42.52.62.72
23.33.43.53.63.73
24.34.44.54.64.74
25.35.45.55.65.75
26.36.46.56.66.76
27.37.47.57.67.77 

 

 

例えば2.2はこれ

譜例2

 

2.3ならば

譜例3

 

 

上差し3和音のそれぞれの音程間隔を2.3.4.5.6.7の数字で表しています。3つの音には2つの音程が出来ますので2.2ならばCDEとなります。

 

これらを全部示すと数多くて情報過多になりますので、お勧めのインターバルヴォイシングを紹介します。

 

右差し

譜例4



これらのインターバルヴォイシングをモードのコードとして使用します。ルートを鳴らしながらインターバルヴォイシングを弾いてみましょう

 

右差し

譜例5

 


 

真顔これは伴奏の練習ではありませんしソロの練習でも無い・・・

 

これはモード遊びなんです。

 

「キャラ」「色」を覚える遊びです。

 

各モードの色彩を覚えましょう!

 

 

ニヒヒそれでは本日のメインイヴェント!!

 

さらに発展させて、

 

上差しモードのベース・ラインの上で

インターバル・ヴォイシングを弾いてみましょう。

 

 

Ex.9

ドリアン・ベース・ラインの上で 24インターバル

 

Ex.10

フリジアン・ベース・ラインの上で 24インターバル

Ex.11

リディアン・ベース・ラインの上で 44インターバル

 

Ex.12

ミクソリディアン・ベース・ラインの上で 44インターバル

 

Ex.13

エオリアン・ベース・ラインの上で 63インターバル

 

Ex.14

ロクリアン・ベース・ラインの上で 55インターバル

 

Ex.15

アイオニアン・ベース・ラインの上で 24インターバル

 

 等、他のインターバルヴォイシングも是非試してみて下さいね。

 

メロディックマイナー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

右差しまとめ

 

モードとはスケールのことでもコードのことでもはありません。

 

色彩の事です。

 

色彩というキーワードを体現するミュージシャンの一人がギタリストのJohn Abercrombieです。

 

彼は正に印象派ジャズを代表する一人だと思います。

これは私が初めて彼の音楽に接したアルバムです。

もう、涙無しでは聞けませんぐすん

 

たった一人で色彩の世界を表現する、唯一無二のソロギターアルバムです。

 

彼に初めて会ったとき、Characters is my favorite album!

と、言ったら

Me too!

と言ってましたウインク

 

 

 

 

2017/8/22に天に召されたジョンの数々の名作です。