この記事は私が音大でやっている授業内容の1部分を
学生の予習、復習の目的でこちらのページに記載しています。
(譜例はクリックすると大きく表示されます)

今回のテーマは「アウト」

です。

よく、ジャズの雑誌に「このフレーズはアウトだ!」
と、書いてある(今も書いてあるのかな?ここ20年くらい読んでないから・・・)

アウトという言葉の意味は、要するに、

「面白い音使い」
という事だと思う。

例えば、レッド・ガーランドやウイントン・ケリーといった、
オーソドックスなタイプ(と言っても、充分面白い音使いをしてるが…)
と、ハービー・ハンコックやマッコイ・タイナーといった、
モダンジャズと言われるスタイルの人達の演奏は、
音の使い方が明らかに違っている。
是非彼らがやっている「同じ曲を比較」して聞いてみてください。

参考になるのは、マイルス・デイビスやジョン・コルトレーンです。

マイルスはレッド・ガーランド~ウイントン・ケリー~ハービー・ハンコック。

コルトレーンもレッド・ガーランド~マッコイ・タイナー。

と、時期によって、スタイルの違う音楽を演っているので、
音使いもどんどん変化していきます。

オール・オブ・ユーという曲の
ウイントン・ケリーとハービー・ハンコックの演奏は、
比較して聞いてみたら、とても興味深いです。


ウイントン・ケリーのオール・オブ・ユー
ブラックホークのマイルス・デイビス Vol.1/マイルス・デイヴィス

¥1,995
Amazon.co.jp


ハービー・ハンコックのオール・オブ・ユー
マイ・ファニー・ヴァレンタイン/SMJ

¥1,890
Amazon.co.jp


今回のお題は、
どうやったら面白い音使いが出来るか?
という色々な方法のなかの幾つかを紹介しよう!

と、言う事です。


゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆

☆その1「リハモ」

リハモというのは元のコード進行にてを加えて、
違う道筋で目的地にたどり着く・・・

「コード進行の寄り道」
ともいうべき方法です。

例えば、1-6-2-5
いわゆる循環進行です。

C|A7|Dm7|G7

をリハモすると。

$『道』Blog

$『道』Blog

$『道』Blog

等・・・
いろいろできますね…

元のコードの上で
リハモのコードを使って
アドリブする。

これが「アウト」です。

どうやってリハモしてるか?は、
ここでは問題にしません。
ここに書いてあるフレーズを先ず弾いて見て下さい。
そうするとリハモのアウトというイメージが出来てくると思いますよ。
先ずイメージがないと何も始まりません。

じゃあフレーズ作ってみますか・・・?

$『道』Blog

上のコードで伴奏は演奏します。

しかしアドリブの人は下のコードを想定してアドリブラインを演奏すると、
元のコードから外れたりもとに戻ったりするので、「イン&アウト」という訳です。

それでは次は・・・


゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆


☆その2「アッパー・ストラクチャー」

「リハモ」がコードの進み方に手を加えたものなら、
「アッパー・ストラクチャー」はコードのサウンドを変えてしまえ!という事です。

言葉で説明するとよけいに難しくなるのでまずは例から・・・

2516といういわゆる逆循環というコード進行

Dm7|G7|C|A7

このコード進行にアッパー・ストラクチャーを「乗っけて」いきますと。

$『道』Blog


この方法は2516というコード進行の流れはキープしつつ、
各コードの上にテンションをふくんだ別のコードネームを乗っけて、
ルートモーションと違ったもう一つの流れを作る、

という方法です(ね?言葉は難しいでしょ?)

要するに右手は、3和音(トライアド)を半音ずつ上げて行ってるだけ、
左手は元の2516の逆循環進行。

ピアノがある人は是非押さえてみてください。
面白い響きがするでしょ?

マッコイ・タイナー、ハービー・ハンコック、
ジョージ・コールマン、ジョー・ヘンダーソン、
フレディ・ハバード、ウエイン・ショーター
などの1960年代モダンジャズのミュージシャン達の間で流行ってましたo(^-^)o

でもって、この方法でアドリブをとります・・・と

と、ここで面白い事を思いつきました。

・・・といいますのは、


゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆


☆その3「ペンタ・トニックのアッパー・ストラクチャー的使用法」

と、言う方法です。

ホントに言葉にすると難しい~~

ら~ら~ら~、らら~ら~、
こと~ばに~、なら~な・・・


ペンタトニックって5音階ですよね?
トライアードは3音・・・

2音しか違わない・・・

ちょっと下の譜面を見てください。


$『道』Blog

ペンタというのはトライアド(3和音)に6度と9度を足したもの、
すなわちC69というコードそのものなんです。

と、いう事は・・・

ペンタはトライアドの代わりになる?

$『道』Blog

そう、ペンタが半音ずつ上がってるだけヾ(@^(∞)^@)ノ

簡単でしょ?
一度やってみてください。
とても、コンテンポラリーになれますよ。
上で紹介した、
ハービーハンコックの「オールオブユー」
の演奏がとてもいい例ですね。

ハービーのこの頃の演奏には、
アッパーストラクチャーとメロディックマイナーの要素が強くみられます。
ぜひ参考にしてください。

その他の方法は次の記事で・・・

続く


*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆


まだ少し先ですが、
道下和彦スペシャルライブのお知らせです!
13歳からギターを始めた私、
「ギタリスト」道下和彦生誕40周年記念コンサート!?
ギターのミッチーの集大成を見せたいと企画しています。
乞うご期待!

11月2日(土)@洗足学園音楽大学シルバーマウンテン1F
『道下和彦Group~Feat.黒瀬香菜~Ultra Super Guests須藤満&菅沼孝三!!』
Gt道下和彦 Org黒瀬香菜 Bs須藤満 Ds菅沼孝三
18:00開場/18:30開演
入場料2000円