今日4月24日は「植物学の日」です。
これは日本の植物学の父と呼ばれる
牧野富太郎博士の生誕日にちなんだものです。
その牧野富太郎博士の著書のひとつに
『牧野植物一家言』(北隆館,1956年)があります。
その中に「武蔵野で発見したオホミツバツチグリ」
という一節があります。
オオミツバツチグリ(Potentilla × musashinoana Makino)は、
牧野博士が1946年4月に武蔵野にて発見したもので、
ミツバツチグリとキジムシロの雑種と推定されています。
『牧野植物一家言』の中で新しい和名と学名が提唱されており、
これが事実上の原記載論文となっています。
ところがこのオオミツバツチグリ。
ほとんど認知されておらず、生態写真もまったく出ていません。
それ故、幻の植物のようになっています。
わぴちゃんはフィールドワークでこのオオミツバツチグリを発見でき、
生態写真を撮ることができたので紹介しますね。
これがオオミツバツチグリです。
オオミツバツチグリは、大きな3つ葉(3小葉)の下に、
小さな小葉が1~2枚つく傾向があります。
茎は地を這いますが、ミツバツチグリのように
節々から根を出して子株をつくって増えていくことはありません。
また雑種なので果実はできません。
ミツバツチグリはどんなに大きくなっても
名前の通り3つ葉です。
キジムシロは、株が小さいうちは
オオミツバツチグリと似たような葉をつけることがありますが、
株が育ってくると、小葉の枚数がどんどん増えていきます。
オオミツバツチグリは株がどんなに大きく育っても、
小葉の枚数が増えることはなく、
「大きな3つ葉(3小葉)の下に、小さな小葉が1~2枚」
で固定しています。
***********************
ミツバツチグリ、キジムシロともに
里山の日当たりの良い場所ではわりとよく見られるもので、
いっしょに生えていることも珍しくありません。
そのためその雑種のオオミツバツチグリも、
そこそこ見つかっても良さそうなものなのですが…
単なる認知度の問題なのか…
実際にレアな雑種なのか…
キジムシロとミツバツチグリが
混生している場所を観察する機会があったら、
ぜひぜひオオミツバツチグリも探してみてくださいね。
▼本日限定!ブログスタンプ