ギシギシの雑種、第11弾です。
ノギシギシ(Rumex japonicus × R. longifolius)は、
ギシギシ(R. japonicus)と
ノダイオウ(R. longifolius)の推定雑種です。
ギシギシの雑種の中では少数派の在来種同士の組み合わせです。
雑種の名前は、組み合わせが分かりやすくなるように、
両親の名前から一部をとってつけられる傾向があります。
ノギシギシの場合は…
ノダイオウ × ギシギシ → ノギシギシ
という感じでしょうか。
片親のノダイオウがとても大型の植物であるため、
その性質が引き継がれて、大人の背丈以上の高さとなります。
葉もかなり大型になり、そのかたちや雰囲気も
ギシギシというよりはノダイオウに近い感じです。
ノダイオウとのちがいは果実期の花被片にあらわれます。
ギシギシの仲間は、花後3枚の花被片が発達して、
その中に1個のタネが包まれるようにして育ちます。
ノダイオウの花被片には、
真ん中の粒体(粒のようなもの)はありませんが、
ノギシギシには小さいながらもそれがあります。
粒体がつくのはギシギシの性質です。
また結実率が悪く、
花被片の大きさが不揃いなのも特徴です。
ノダイオウ、ギシギシとも葉裏の葉脈にふつう突起はありません。
そのためノギシギシもふつう突起はありません。
ただノダイオウは株によって多少の突起が出ることもあり、
ノギシギシにもそれが引き継がれることがあります。