6種類のアブラナ属植物のゲノムを調べ、
それぞれの関係を図で示したのが「禹の三角形」です。
この「禹の三角形」に登場する6種類のアブラナ属植物のうち、
日本では見る機会がほとんどない
アビシニアガラシ(Brassica carinata)を栽培する機会がありました。
そのアビシニアガラシを写真つきで紹介します。
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アビシニアガラシは、エチオピア原産で、
エチオピアンケール(Ethiopian kale)とも呼ばれています。
クロガラシ(祖先)とキャベツ(祖先)の
自然交雑によって生まれたものです。
茎は上の方で四方八方にしゅっしゅっとのび、
長い花の穂をつくります。
カメラマン泣かせの草姿…構図が取りにくい(^-^;)
花のつきかたはかなりまばらな印象です。
花色は淡めで、キャベツの花の面影を少し感じます。
葉は深緑色で表面に光沢があり、
ややちりめん状になってごわごわした印象があります。
まだ咲き始めたばかりなので果実は未見です。
片親のクロガラシの果実は上向きで
茎にぴったりくっつくようにできるとされるますが、
どんな果実ができるやら…☆
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「禹の三角形」は1935年に禹長春博士によって見出されたもので、
6種類のアブラナ属植物のゲノムを調べ、
それぞれの関係を示したのです。
今もアブラナ属植物について研究するうえで欠かせない
「基礎知識」として広く活用されています。
それによると、
●カブ(B. rapa)
●クロガラシ(B. nigra)
●キャベツ(B. oleracea)
の3つを基本種とし、これらが交雑して
●カラシナ(B. juncea)…カブ×クロガラシ
●アビシニアガラシ(B. carinata)…クロガラシ×キャベツ
●セイヨウアブラナ(B. napus)…カブ×キャベツ
が生まれました