この時期、草むらを歩くと大量にくっついてくる細長いタネ。
その多くを占めるのがコセンダングサです。
コセンダングサ(Bidens pilosa)は
キク科センダングサ属の1年草で、
熱帯アメリカ原産と推定されています。
現在は世界中の温暖な地域に広がっています。
日本でも人里周辺の道ばたで見かけるのは
コセンダングサが圧倒的多数を占めていますが、
コセンダングサが渡来する前は、同じ仲間の
センダングサ(Bidens biternata)が多かったといいます。
コセンダングサ(小栴檀草)は、
頭に「小」と冠していることから、
センダングサ(栴檀草)に比べて
何かが小さいことに由来すると考えられます。
しかしセンダングサ、コセンダングサともに
よく育ったものは大人の背丈くらいにもなり、
コセンダングサが有意に小さいというわけではありません。
では、どこが小さいのでしょうか。
わぴちゃんはもしかしたらタネではないか?と推測していたのですが、
先日ついにその原記載となる論文を発掘しました!(≧▽≦)ノ
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コセンダングサは、明治41年(1908年)に
牧野富太郎博士が植物学雑誌に新称として記載していました。
「頭花ハせんだんぐさヨリ小形ニシテ黄色ヲ呈セル
舌状花冠ハ其形大ナラズ今之ヲこせんだんぐさト新稱ス…」
(牧野富太郎,1908.こせんだんぐさ(新稱).植物學雑誌22: 235)
つまり、牧野富太郎博士は
頭花がセンダングサより小さいことから
コセンダングサ(小栴檀草)としたようです。
わぴちゃんの推測は当たらずしも遠からず?(笑)
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以下、センダングサとコセンダングサの比較です。
花そのものは比較していませんが、
頭花を包む総苞やタネの大きさは明らかに
センダングサ>コセンダングサです。
コセンダングサはまだ咲いているものの、
センダングサのほうの花がもう終わってしまったので、
頭花の大きさの比較写真は来シーズンの課題ですね。