今年の河川敷は、少し明るい緑色のつる草が
いたるところを覆いつくしているのが目に付きます。





 

これの正体は特定外来生物のアレチウリです。



1年草なのですが、つるの成長が非常に速く、
あっという間にあたりを覆いつくしてしまうほどに繁茂します。
そのためその場所の植生に壊滅的なダメージを与えてしまいます。

また種子繁殖力が強く、一度タネをつくってしまうと、
根絶するのに何年もかかってしまう…というしぶとい草でもあります。

このアレチウリは従来から河川敷で繁殖して問題になっていますが、
今年は特にひどく、どこに行ってもアレチウリだらけです(>ω<。)

アレチウリのタネの拡散は2つの方法があります。

ひとつは、刺で動物の体にくっつく「ひっつき虫(付着散布)」作戦です。

タネの刺は服に刺さった後、そのまま服に残るため、
アレチウリ群落をやぶこぎすると、ハリネズミ状態になって
チクチクとえらい目に遭います(>ω<。)



そしてもうひとつは、水流に乗って拡散する「水流散布」の作戦です。

おそらく、昨年の大規模な洪水によって、
アレチウリのタネが一気にまき散らされ、
今年の大繁茂に至ったのでは?と邪推しています。

河川敷にとどまらず、周辺の水路にまでタネが拡散しているようで、
河川に接続している水路沿いにもだいぶ入りこんでいるようです。

皆さんの周りはどんな状況でしょうか?

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ちなみに河川の植生は、定期的に
洪水によってかく乱されることは織り込み済みで、
それを前提としたライフサイクルを送っているものも多くあります。

つまり、洪水で植生がリセットされ、表土がかき混ぜられた後、
眠っていたタネがいっせいに発芽し、開花・結実します。

植生が回復し、オギやヨシなどの背の高い草が増えてくると、
次の洪水まで土の中でお休みします。

そしてまた洪水によって植生がリセットされると、
眠っていたタネがいっせいに発芽…
これを繰り返しながら生きながらえているのです。

アレチウリが大繁茂している傍らで、

洪水とともに目を覚ます河川敷の在来種、

カンエンガヤツリもいたるところで健闘していました。