瓦礫と共に降ってきたのは丞ヶ崎。

丞ヶ崎「ブッッ殺す!!」

丞ヶ崎は怒りに任せて、土煙を巻き上げながら、安土に突進していく。

あまりに突然の出来事に、安土の反応も鈍る。

丞ヶ崎「あああああ!!」

雄叫びを上げながら振るわれたハンマーは、まっすぐに安土へと向かう。

安土「くっ…!」

パンッ!!

安土が射った弾が、振り下ろされたハンマーに直撃し、加速度と衝撃に耐えきれなかったハンマーの鉄の部分は、大きな鉄塊となり粉々になった。

しかし、丞ヶ崎の勢いは止まらない。

柄の部分だけになったハンマーで、丞ヶ崎は安土に勢いもそのままに殴りかかった。

安土は、咄嗟にそれを右腕で受け止める。

安土「ぐおっ!」

直撃した右腕が、ミシミシと軋む。

龍牧「そこまでだ!!」

その後ろで、龍牧が銃を構えて脅しをかける。

安土「!龍牧、避けろ!!」

龍牧「なに!?」

その声に、すかさず身を翻した龍牧の横を、またしても弓矢がかすめていく。

丞ヶ崎「松井!!」

松井「こんな所で、丞ヶ崎君を死なせたりしない!!」

龍牧「…嘗めた真似を…!」

ビュンッ!!

龍牧「!?」

怒りに打ち震える龍牧の視界に、一瞬過った銀色の物体。

その軌道を目で追うと、そこには床に弧を描いて突き刺さった一本の釘。

龍牧「釘?」

次に龍牧の視線が泳いだ先は、その釘の対角線上…つまり、釘が飛んできた通路側に流れた。

その先には、自動釘打機を構えて前進してくる柏木と北原の姿。

龍牧「安土!右通路からも敵だ!!釘を撃ってきてる!!」

安土「チッ!知るか!!自分でなんとかしろ!!」

安土は、丞ヶ崎の打撃を受け止め続けるので精一杯の様だ。

そのうえ、ヘタに動けば前方から矢が飛んでくる状況に置かされ、完全に動きを封じられた。

松井「さあ、今度こそ皆逃げて!」

渡辺「…行こう!」

渡辺の一言で、皆が次々と教室を抜け出していく。

足を撃たれた横山は、佐藤の肩を借りて逃げていく。

山本「麻友ちゃん…やったっけ?手ぇ貸そうか?」

渡辺「ううん…私はもう少しここに残るから、先に逃げて。」

山本「…分かった。」

安土「…何処に逃げるって言うんだ?学校の周りは、全て爆弾で埋め尽くされている…ここは、陸の孤島…何処へ逃げようと高が知れているぞ…。」

山本「…それでも、殺されるのを待つよりマシや。」

そう言い残し、山本はその場を去っていく。

丞ヶ崎「…取り敢えず、奇襲作戦は成功だな。」

安土「…」