小嶋「最近危険な目に遇った覚えは?」

小嶋が、指原に聞く。

指原「ある!ありますよ…しかも、本当につい最近!!」

驚嘆の声を漏らす指原は、そのまま恵の顔を見た。

指原「もしかして、あれも西園寺とかいう人のせいで!?」

恵「…西園寺の弱点と呼ばれる者達を、危機的状況に晒して、西園寺を表舞台に引っ張り出すのが、敵の思惑らしい…そして、指原がアイドルを目指している事を利用して、敵はあの芸能事務所の社長を、金で雇ったんだろう。」

指原「…じゃあ…やっぱり初めから、私を騙す為だけに近付いて来てたんすね…。」

落ち込む指原を、小嶋が見詰める。

小嶋「貴女、アイドルを目指してるの?」

指原「あぁ、いや…それはその…実は…はい。」

指原は、実に歯切れの悪い言い回しで、事実を認めた。

小嶋「…ふーん。」

高橋「で、私に謝りたい事って?」

小嶋「あ、うん…。」

言いにくい事なのか、黙ったまま小嶋が話そうとしない。

恵「…2年前の事件の事だろ?」

痺れを切らした恵が、代弁する。

小嶋「どうしてそれを!?」

恵「少し前に、ある人から聞いたんだ…西園寺がした事も全て。」

小嶋「…」

高橋「ねえ、何なの?言ってくれなきゃ分からない!」

小嶋「…あの事件を揉み消して、みなみのケガも全て無かった事にしたのは…私の父なの。」

高橋「…え!?」

小嶋「それも全部、私が芸能界で生き残っていく為に、芸歴に傷が付く過去は全て抹消しろと、西園寺が勝手に裏で手を回してた…その事を、私はつい最近まで知らなかったの…みなみ、ごめんなさい!!」

小嶋が、深々とお辞儀をする。

みなみ「じゃあ…私は、陽菜の身代わりに…人生を台無しにされたの?」

小嶋「ごめんなさい…ごめんなさい!!」

小嶋は、誠心誠意何度も謝罪を繰り返した。

高橋「…良かった…。」

しかし、そんな高橋が口にした言葉は、その場に居る誰もが思いもかけないものだった。

小嶋「…え?」

高橋「どっちにしろ、私はこのケガを負った時点で、芸能界には居られない存在だった…だけど、それで陽菜の命を護れてたんなら、私がこうなったのも、結果的に無意味じゃ無かったんだなって…。」

小嶋「…みなみ。」

高橋「確かに、その事が原因で、今までずっと引きこもりの生活を送ってたけど、それからも天乃君が救いだしてくれたから、陽菜が謝る事なんて、何一つ無いんだよ?」

高橋の広い心に、小嶋が泣き出す。

高橋「…もし、その事を悔いてくれてるんなら、悩んでないで私の分まで有名になってよね!」

高橋が、屈託ない笑顔を小嶋に向ける。

小嶋「ありがどう…!!!!」