和於屋の長村(オサムラ)です。
下の画像は私所有の三線の胴。

それなりの大きさがあるウロコの蛇皮で、そこそこいい音色だと思う。(^_^)
和於屋「至宝の秀作」の職人の親泊宗康氏にお願いしたクサビ張り胴。

しかし、本来は下の画像の方を表皮として使っていた。


両者の違いは比べるとよくわかる。


現在、裏として使っている皮(購入時は表皮)の方がウロコや蛇柄が大きく、
1番皮といわれる最上級の皮だ。

今年で8年目の胴だが、3年くらい前から、小さい裂け目が出だしはじめ、
何度か修復をして来たが、昨年の春ころに表と裏を差し替えた。
裂け目で皮の張が緩くなり、張りのある音色が出なくなったからだ。

裏の皮も表ほどではないが、良い皮だったので、大丈夫だろうと思いやってみた。
最初はそれまでつけていたナイロン弦をそのまま張ってみたが、音色が少し
頼りない感じがした。

通常の場合、裏の皮は表よりも張を弱くする。張が弱い分、ナイロン弦の
パフォーマンスを引き出すことができなかったと思う。

そこでポリエステル弦に張り替えた。結果は上々で気に入っている。
全盛期の音色には程遠いが、どこまで延命できるかを調べたいので、
もうしばらくこの胴を使いたいと思っている。

皮の破れは初期段階なら、殆ど修復が可能だ。
ウロコとウロコの境に白い裂け目が出始めたら、専門家に相談されることをお勧めする。
症状にもよるが、数年の延命はできると思う。

もちろん、和於屋でも修理は承っているので、
その際はご一報いただきたい。