コーギーに多い病気 DM(変性性脊髄症)と,車椅子の関係
DMの説明・DMの段階と車椅子について書かせていただきます
【途中追記あり】


初めて名前を聞いたという方もいるので説明からさせていただきます

◆DM(変性性脊髄症)とは------------------
痛みを伴わず後ろ脚から前足・肺にかけて
3年くらいの時間をかけて麻痺が進行する脊髄の病気です

海外ではシェパード・ボクサー・ラブラドール・レトリーバー
シベリアンハスキー・プードルなど発症の報告があるそうですが
10歳を超えたコーギーが際立って多いです

※2018年追記
わんうぉーくでは9割以上コーギーですが
シェパード・バーニーズ・オオカミ犬・キャバリア・フレンチブルドッグがいました(検査したそうです)

発症の原因はまだわかっていないそうですが
遺伝性の場合は検査で確認することができます
完全にDMだったか診断するには
死亡後に脊髄を調べないといけないそうです

(DMの遺伝子を持っていても発症しないわんこもいます)
※2016年追記
変性性脊髄症(DM)発症にかかわる第二の遺伝子が明らかに!
http://www.dogactually.net/blog/2016/08/19dm.html

◆治療や対処について------------------

治療法も効果的な手術、薬などは見つかっていません
車椅子では平衡の取れた歩行をして、二次的な
筋肉の委縮・筋肉の衰えを遅らせられると言われてるので
DMには車椅子は最適な乗り物といえます

他には水中トレッドミルなどありますが、
毎日の散歩や運動と考えると日常的に使うというよりも
リハビリに通いながらという感じになります

マッサージ・鍼なども最大限に筋肉を強化させるために有効的です

ビタミンや幹細胞、再生医療などの話もありますが
それによって効果が出ているかは証明、報告はされていないそうです

◆変性性脊髄症(DM)の症状------------------
●最初は後ろ脚を擦って歩くようになります
この頃は「後ろ脚が弱くなってきたのかなぁ」
という位に感じる飼い主様が多いです

●だんだん腰のふらつきや後ろ脚が交差していきたり
踏ん張りきれずに少し歩いて腰から倒れたりします

●その後 後ろ脚の自由がきかなくなってくると
歩くというよりも、うさぎ跳びなどしながら進みます

後ろ脚に力が入らなくなると大きく開脚したりします
※下半身麻痺・ヘルニアワンコも同じようになる場合があります

(このころに車椅子を使い始めるワンコが多いです)


●麻痺は徐々に前足にまできて
上半身を支えることが難しくなり
車椅子に乗っていても伏せることが多くなります
 
4輪車にして快適に歩けるようにもなりますが
徐々につまずいたり前足が踏ん張れない、
ハーネスでは首がしまってしまう
顔乗せバー+クッションを使わないと前に倒れこむ

 ●更に症状が進行すると呼吸障害があらわれ
呼吸障害が進行すると呼吸不全となり亡くなってしまう病気です
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岐阜大学のホームページに詳しく書いてありますが
まだ獣医さんの中でも知らない方が多いそうで
ヘルニアや、謎の神経異常と診断されることもあり
なにか違う気がする・・とお客様が調べてDMではないか?という事も多いそうです
(もちろん詳しい獣医さんも多いですが、
少し前の医学雑誌に特集が組まれたそうです

DM(変性性脊髄症)は人間の病気の
ALS(筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう)
と同じと言われていますが
ALSもまだ有効な治療法は見つかっていません

最近ALSの方はHGFという再生タンパク質を脊椎に打つことで
神経細胞を保護して寿命が3年だったものが5年に延びる効果が期待されています
しかしこれもまだ臨床実験段階なので
実際の医療現場に取り入れられるのはまだまだ先のようで
それが動物医療に取り入れられるのはもっと先になりそうです
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話しがずれましたが
現在は車椅子などで運動するのが一番の方法と言えそうです
 
同じ病気と闘うなら
1分1秒でも楽しい!と思える時間を増やし
進行を遅らせていけたらいいですよね

何もしないと使える筋肉も衰えてしまうので(二次的筋委縮)
DMの麻痺の進行+筋肉の衰えで動けなくなってしまいますが
車椅子を使えれば筋肉を最大限に動かし
残存機能を生かすことができます


車椅子を使えば進行しないということはありません

同じワンコで比較できないので図はイメージですが
使える筋肉は最大限生かしていきましょう 

後ろ脚が完全にマヒしてから前に進むわんこもいれば
後ろ脚がまだ動くのに前足がうまく使えなくなるワンコも
また、進行が遅いと思っていたら一気に麻痺がすすんだりと
個体差で症状が違うと感じることも多いです

1日でも早い車椅子の使用をお勧めしますが
寝たきりになっても体を起こせるだけでも気持ちの良いものです
どの段階でも車椅子を使っていただけたら
ワンちゃんは気持ちいいいだろうなと思います
 

◆車椅子の使用例ですが------------------
初期症状の
あれ?足がおかしい? 腰が上がらなくなった??という
早い段階で車椅子を使用すると、車椅子なしで歩けるくらい
筋力が戻ることもありますし
 
自分では歩けないのに車椅子に乗ると
「なんで車椅子乗ってるの?」と言われるくらい普通に歩くワンコもいます
 
 

後ろ脚に意識がいくので動きが良くなります

伏せることが多くなったり、立ち止まることが
増えてきたら4輪車への移改造のタイミングです
(無理して2輪車を使っていると筋力の衰えも進み
 4輪車にしてもしっかり歩けない場合があります)
 
早い段階で4輪車にすれば
2輪車では歩けなかったのに4輪車で走り回ることも可能です
 
 
 
発症から2年~3年過ぎたくらいで前足にも力が入らなくなってきます
顔が落ちてしまう場合は顔乗せバーとクッションを使ってください
 
顔は上がるけれど前に落ちてしまう
(ハーネスでは苦しそう)という場合は
前足用レッグリング付けられます

24時間横になったままはワンコもつらいです

車椅子に乗ればお外だって歩けます
外の空気を吸うことで気分転換になります
(状態によっては4肢浮かせて使用します)
 
お腹が食い込んでしまう場合は
クッション+ソフトな板を腹下ベルトの上に乗せて使用してください

 

他に
犬+車椅子ごとシャンプー
 ※ドライヤーはやめてください
足ふきや爪切り
お腹の下のケア
おむつを履かせる
床ずれ予防
食事のサポートなどなど様々な使い方ができます

特に食事は寝た状態になった場合は
気管支炎・誤飲しにくいよう体を起こして
食事のサポートが出来るので便利です

動いてしまうワンコの場合はタイヤを止めたり
3方向動きにくくすると止まっていられます
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他のサポート方法ですが
2輪車でお腹が下がってしまう場合や

4輪車でベルトにお腹が食い込んでしまったり
乗りおろしが大変な場合 
【ハーネス】を使っていただくと
ワンちゃんも飼い主様も楽になります

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車椅子にも併用可能ですし
車椅子を使わない場所(動物病院など)でも活躍します

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わんうぉーくに来るコーギーさんのほとんどがDMです
DMだとわかった時は3年か・・・と大きなショックを受けますが
実際3年を待たずに他の原因、病気で逝ってしまう子も多いです
(状態が変わったら何でもDMと思わずに獣医さんに行ってください)

それがそのワンコの運命だったとしても
少しでも幸せな時間を過ごしてもらいたいと思いますし
わんうぉーくがそういった飼い主様の
情報交換の場所になったらいいなと思っています
 

我が家のワンコは下痢かなと思っていたら
1か月持たないですと宣告されその通り1カ月で旅立ってしまったので
DMではないものの余命宣告を受けた飼い主様のショックはとてもわかります

与えられた時間をリハビリ目的から
最後の時まで使える車椅子になるよう工夫しています

追記 
犬の車椅子が必要なわんこにコーギーが多い理由

追記 遺伝子検査についてですが

DMと診断されて遺伝子検査の結果【クリア(陰性)】だったため

他の病気の治療対策ができた子もいます

コーギーの場合「検査で陽性でも薬も治療もないからな」と検査をしないワンコも多いです

しかし【陰性】だったり【キャリア】(子供に出ることがある本人は発症しない)

場合もありますので検査はお勧めしています


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