番外編。
自分の備忘録として、ほぼ誰も読まないここに書いておこうと思う。
この週末に起こったシンクロニシティはかなりのものだった。
私にとっては、だけれど (笑)
数秘術の先生とお話したのは週の半ば過ぎだった。
先生がこう言った。「ねー、あのシーンを思い出すよね。 "Out on a Limb"の車のシーン。」
正直、その瞬間までその本のことは忘れていた。
いや、厳密には、その二日ほど前に本棚の整理をしていて、偶然その本を見かけてはいた。
内容をあまり思い出せなくなっていて、どんなんだったっけ、と思ったことを思い出した。
あー、あの時パラパラとでも読み返しておけば、今ごろは先生とその話題で盛り上がれたのに、と少し残念に思った。
その本は、約2年前、日本へ帰国する友人がくれたものだった。
初めて聞く名前だった。でも友人がぜひ読んでください、と言ってくれたので、すぐに読み始めた。
当時の私には少しだけ重い内容だったけれど、とても面白くてどんどん読めた。
けれどそれは浅い理解、本当のすごさなど何も分かってなどいなかった。
シンクロニシティとはそういうものだ。
メッセージを受け取る準備ができていなければ、ただ目の前を過ぎていく日常でしかない。
でも実は、当時からその本は、私に不思議なメッセージを送っていたと思われる。
なぜなら、本を読んでいる期間に、著者のシャーリーが、車で30分ほどの町で講演会をすることになったからだ。
その情報もたまたま目にしたものだった。
本をくれた友人の日本帰国までまだ少し時間もあったので、2人して出かけた。
私は仕事の時間を少しずらしてまで出かけて行った。
残念なことに、講演会の内容はおぼろげだ。
ずっと仕事ばかりしていて疲れていた、当日は睡魔との闘いだった。
ハッキリと印象に残ったのは、シャーリーが数秘術について話をしたこと。
数秘術は、宇宙人がやってきて、古代人にこっそり教えたシークレットだった、というような内容だったと思う。
数秘術を好きな私はとてもうれしくて誇らしい気持ちになった。
オスカー女優も数秘術が好きだなんて!
その時点ではその程度の理解だったという自分のアホさ加減にあきれる。
そして、友人は日本へ行ってしまい、私はほとんど本の内容を忘れてしまっていた。
数秘の先生と話した翌日、ふと、あの本のことを思い出した。
先生が”あのシーン”といったのは、本を映画化した映像の方のことだったな、と思い出し、
私はその映画をまだみたことがないと思った。
本は手元にあるけれど、なぜか映画の方を見てみたいと思った。
日本語キャプションのついた動画が見当たらず、英語バージョンの映画だった。
ハードルが高い、理解できるだろうか。
しかも、Part1とPart2に分かれていて、トータルで4時間ほどもある長編だ。
その日はパート1だけを見た。
幸い、日本語で読んでいた原作が助けてくれて、かなり内容を理解できた。
主人公のシャーリーを本人が演じている。
彼女は当時マリブに住んでいた(たぶん今もCAの自宅はマリブ)。同じマリブの友人で、彼女より年の若い、Davidという絵描きが出てくる。
彼の作品は、心の中の月の神殿だの、宇宙だの、スピリチュアルなものばかり。
特にUFOの絵をたくさん描いている。
そして二人は、マリブの河岸を散歩しながら、いつもこの世界の不思議について語り合っていた。
特に、輪廻転生についてシャーリーがDavidに質問すると、彼はハリウッドの不思議な本屋に彼女を案内した。
そこから彼女は、その分野の本を読みあさり、彼女の見えない世界への疑問はどんどん増していった。
おかしい。
私にも、Davidという友人がいる。
彼は、絵描きだ。
そして、彼の部屋には、特大のキャンバスに、UFOらしき物体を描いたものが飾られていたことを思い出した。
たしか、彼が絵描きになると決めた、17か19か21歳のころ、地元のユタで描いたものだと言っていた。
彼は私より4,5歳若かったはずだ。
彼はヨガを教え、私はその生徒だった。
いやもともと私たちは、同僚だった。その職場はもうなくなってしまったけれど、今も友人として付き合いがある。
ヨガをする人はやはり、ヨガ哲学を学ぶので、そういった類の話をするものだ。
Davidと私も、そういう話をよくした。
というより、二人で話す時はそういう話しかしない。
彼は最初から、私のことを、宇宙のころからの友達、と呼んでいた。
変なやつだ。
パート1を見終えて、しばらくぶりにDavidにテキストを送った。
娘のVioletは元気か?、それだけだった。
すると、
なぜ今テキストしてきた?やっぱりあれは君だったのか?、とおかしな返事を返してきた。
いつもどおり変な奴だ。
意味が分からない、と送ると、
今近所のスーパーに行ったら、君にそっくりな人を見かけたので、君のことを思い出していたところだったから、という。
今日は外に出ていない、と返事をしたら、
まあそんなもんだな、君のことを考えたから宇宙が君にテキストさせたんだな、と言ってきた。
久しぶりだったのもあって、テキストで近況報告。
彼は最後にこう書いて送ってきた。
「今起こっている世界の状況は、君の車の計量器(インジケーター)を君に確認させているに過ぎない。
君がどんな道を進んでいるのか、その道は本当に走りたい道なのか、どこへ向かおうとしているのか。
そんなことを、宇宙と世界が君に確認させているに過ぎない。
不安なんてくだらない。
ニュースやいらない情報を見ないことだよ。
自分の車の計量器を見て、しっかりドライブしていればいいだけのことだから。」
なんだか、がつーん、と来た。
彼は今、流行りのオンラインでヨガを教えている。
翌朝は、彼のクラスを受けてみた。
彼のクラスは久々だ。
途中で娘のVioletが起きだしてきて、Good mornig! と画面のこちら側にご挨拶。
2歳なのにかなり色気のあるかわいいハスキーボイス。
そこからは、Davidの背中にのったり、ワッフルをもう一枚焼いてくれだのなんだの、時々画面に登場してはみんなを喜ばせた。
終わった後、私は笑顔で幸せいっぱいだった。
彼は週に6日このクラスをやっていて、ファンもそこそこいるらしく、プライベートセッションの依頼などで忙しそうだ。
彼はシングルファーザーだ。
私が彼なら、If I were in his shoes,
小さな子供が邪魔になるかもしれないクラスをやってみようとは思わないだろう。
でも彼はやり始めた。
そして、以前よりも、ヨガでの収入が大幅に増えている。
あれこれ考えてやらないよりも、やってみて考えた方がいい。
グサッときた。
それに、
彼は、自分の描いた大きな絵を背景に動画配信をしている。
数か月前に彼の部屋を訪れた時、
この壁一面を大きなキャンバスに仕立てて、そこに大きな絵を描いて、その前でヨガをしたり絵を描いたりするパフォーマンスをしたいと思っている。そうすれば、僕のことをもっと世界中の人に知ってもらえるだろう?
彼はそう言っていた。
でも、私はその時こう返した。
すごくいいアイディアだと思う。でも、どうやったら世界中の人にそれを見せるチャンスができるの?
私は、夢が壮大過ぎて無理じゃないか、という気持ちでその言葉をいった。
ひどい友人だったと思う。
でも彼は、今それを実行していて、
実際に、ヨーロッパやインドやミドルイースタン、ニュージーランド、アメリカの他州の人たちが彼のクラスを受けている。
彼の作品を見ている。
He made it!
友人の私が信じなかった夢を、彼は信じ続けて、この状況をチャンスに変えた。
今ある環境、今持てる力総動員でやってのけた。
すごい。
本当にやりたいのなら、恥も外聞もないだろう?
そういわれた気がした。
彼のクラスの後、私は少し感じたかった。
前の晩から、いやその前の数秘の先生との話から、いや、あの本を友人がくれたあたりから、
もう一度、いろいろなことを思い出して感じたかった。
少し昼寝をして、パート2を見た。
後半はほとんど、シャーリーがDavidとペルーを旅しながら”真理”を探す旅の話だった。
山奥で車がエンストして、夜風が寒いし野生動物に襲われそうなシャーリーが夜空に(宇宙に)向かって、
David, see me! と叫ぶ。
眠っていたDavidは起きだすと、何かに導かれるように彼女の居場所を探し当て救出する。
もはや言葉で説明することは困難である、とシャーリーは感じていく。
二人は一緒に幽体離脱も体験するし、生と死について論議を深めたり、
輪廻転生の話では、Davidが、僕は君に出会うと前から知っていた、と言ってシャーリーがパニックになってしまう。
この原作本がでた30年くらい前は、輪廻転生や宇宙の話はポピュラーではなかったし、キリスト教の国ではむしろタブーなところもあった時代。ましてや、オスカー女優がそんな本を書くなんて世間は驚いたはず。
どこまでが実話なのかはわからないけれど、彼女の体験がベースの内容なので、
当時、彼女がスピリチュアルな気づきの過程でパニックになったことは本当だと思う。
私の友人Davidも、僕たちは宇宙からの友達で、君のことは昔から知っている、といっていたなーと思い出し、
少し気持ち悪さを感じながら映画の後半を見続けた。
月夜の晩、山から下りる車中で、Davidがこういった。
「車のハンドルから手を放せ、握りしめずにハンドルが行くままに任せろ。委ねろ。」、そんな内容だった。
そういうと彼は、でこぼこで曲がりくねったくだり坂で目をつぶりハンドルから手を放してしまった。
シャーリーは当然悲鳴を上げて、やめてくれといった。
でもDavidは目もあけなければハンドルも握らない。
シャーリーも最後は彼を信じて黙った。
ハンドルは、誰かの手によって操作されるかのように次々とカーブをうまく曲がり、彼らは無事に山を下りた。
前夜、私の友人のDavidは、自分の車のインジケーターをしっかり見ろ、と言っていた。
そして映画の中のDavidは、車のハンドルを委ねろ、と言った。
言っていることは真逆のようだけれど、
同じ名前で同じ職業の友人が、この二日間、本の内容と似たようなことを私に言い続けている。
おかしい。
私は映画が終わるとすぐにDavidに電話した。
この映画を見たことあるか?シャーリー・マクレーンという女優を知っているか?、と尋ねた。
私のDavidの方は、どちらも知らないと言った。
だったらいい、と切ろうとしたら、
言いたいことがあるからかけてきたのだろうから言いなさい、という。
急に恥ずかしくなった。
映画と現実がシンクロしすぎて驚いたまま電話したなど、子供レベルだ。
言いたくないと言ったら、それでも言いなさいというので、結局はしゃべり始めた。
そうしたら、当初の目的以上にいろいろと自分が勝手にしゃべり始めてしまった。
今まで、私はあなたと話していて、宇宙を信じているとか、この世の真実を知らない人がいるなんてなんてもったいね、とか言ってきたけど、
私は実はあまりわかっていなかったと思うし、あなたの言っていたことも、どこかで疑って素直に聞けていなかったと思う、ごめんなさい。
Davidは、少し笑いながら、
君のいいところは、思ったことを素直にストレートに言えるところだね。普通、思っていても言わなかったり、ちょっと誇張したり、思ってもいないことを言ったりすることがほとんどだよ。驚いたり謝ったり興奮したり後悔したり、とても楽しいシェアリングの電話をかけてきてくれてありがとう。
なんだか馬鹿にされたような、認めてもらったような、すごく不思議な感覚だった。
とにかく、
私はこの週末、よくわからない時空をさまよって、とうとうどこか、ずっとめざしていたところへ着地した。
現在地の住所は不明。
そのうち少しずつ判明すると思われる。
シンクロニシティの意味は、その時すぐにはわからないものが多かったりする。
流行りの言葉で言えば、伏線回収する日がいつかきっとくる。
立派な人の言葉を借りれば、スティーブ・ジョブスのスタンフォードの卒業式のスピーチの、
”点と点をつなげて線にすること”。
わたしのDavidが電話の最後にこう言っていた。
Kiki、毎日、自分が何を見て何を聞いたかよくよく観察して過ごすこと。
たいそうな勉強などしなくても、ヒントは日常の中にこそある。
日々を、一瞬一瞬を、しっかり観察できる人を僕は尊敬する。
君はそれをできる人だと僕は最初から言っていたのに、君はわかったわかった、とまじめには聞かなかったけど。
”自分はその価値がある”、”I deserve it.”
受け取るのが怖いと思ったら、そう言い聞かせて、すべてのことを素直に受け取ればいいだけのことだよ。
今日、シャーり―について調べていたら、彼女が念願のオスカーを手に入れた際のスピーチで、
I deserve this!!!、私はこの賞をもらう価値があると思います!、という名言を残した、と書かれていた (笑)
あいつは、本当にシャーリーを知らないんだろうか?
どこまでシンクロなのだ!
と、まだまだ信じ切れない自分がここにいる (笑)
備忘録、完。
