1973年、東宝製作のポリス・アクション「桜の代紋」を久しぶりに鑑賞しました。



米軍から横流しされた拳銃を購入した関西の暴力団西神会の杉山は職務質問をしてきた警察官を射殺する。

大阪府警の奥村と加藤は杉山を逮捕し拳銃の隠し場所を突き止めるが、拳銃は無くなっていた。



奥村の同僚刑事滝本が西神会と繋がっている事を加藤が突き止めるが加藤は殺されてしまう。

奥村は滝本を射殺し杉山の愛人ミチを監禁し西神会に迫るが。



東宝から東映の任侠映画に対抗する作品をとの依頼で若山富三郎が原作と製作も手がけ主演したハードなポリス・アクション映画です。



はみだし刑事と暴力団との戦いを通して警察内の腐敗も描いた骨太なストーリーをしっかりとしたドラマで見せる見応えのある作品です。



日本で70年代にブームとなった任侠映画のテイストにイタリア映画やアメリカ映画のハードなアクションとバイオレンス模写を取り入れた和製アクション映画の傑作に仕上がっています。



白昼の街なかで囚人護送車が襲撃される銃撃戦の激しさと撃たれた警察官が血まみれになる壮絶な暴力模写は日本映画とは思えないほど迫力ある見せ場となっています。



愛妻家の奥村が妻を西神会に殺されショットガンを持って組事務所に乗り込んでいくクライマックスも凄まじく、チャールズ・ブロンソン映画ばりの迫力と緊張感に満ちています。



「座頭市」シリーズなど時代劇を得意とする三隅研次監督の初の現代アクションとなった本作ですが、銃撃戦のキレ味やカメラワーク、スタイリッシュでハードボイルドな映像がめちゃくちゃ素晴らしいです。