日中、一番暑い時間帯に買い物に出た。
天気がイマイチではあるが、やっぱりそれなりに夏らしく、蒸し暑い。
5分も歩くと、汗がTシャツに沁みて来た。
風の気まぐれで雲が切れると、絵に描いたような青い空が顔を覗かせる。
ちょうど一年前にも、こんな風に蒸し暑い中、ショートケーキやら、アイスやらを買いに、右へ左へ走り回ったなぁ、なんて、相変わらずはっきりしない空を見上げながら思い出していた。
ただただ、一瞬でも多く、幸せな時間を過ごして欲しかった。
あまり多くの事を望めない状態だったからこそ、望む事は、どんな小さな事でもありったけ叶えてあげたかった。
今は、一緒に過ごしたそんな日々を、笑顔で振り返る事もある。
勿論、いつでも、言いようの無い寂しさを伴うが。
あぁ、そう言えば、ショートケーキが売り切れていて、ロールケーキになっちゃったっけ。
あの時、駈けまわっていた道の上で、ふと、そんな独り言を呟いた瞬間、急に涙が零れそうになった。
きっと泣いて欲しくは無いよな。
そう思った矢先、静かに雨がポツポツと降り出した。
ダメじゃん、先に泣いたら。
そんな高い所にいたら。
