ユアン・マクレガーと言えば、私の世代は90年代に一世を風靡した『トレインスポッティング』

ダメダメな人生から抜け出そうとする愛嬌があって憎めない男。そんな彼に夢中になった人も多いはず。石田泰子さんの字幕も最高でした!

その後、スター俳優となり、数々の大作に出て大活躍。

こんなに立派になって…と距離を感じていたら、20年ぶりの続編『T2 トレインスポッティング』でもまるで成長してなくて、呆れたというかホッとしたというか(笑)


そんなユアンが元アル中(*)で家を出たダメ親父を演じるのが字幕を担当した『ブリーディング・ラブ はじまりの旅』

(*字幕では「アル中」→「アルコール依存症」と言い換えることが多いけれど、個人ブログなので、あえてこちらで。)

しかもロードムービー!

脚本は娘のクララ・マクレガーで、娘役で登場。父娘の葛藤と再生の物語です。

実際にユアンの離婚で父娘が疎遠だった時期があるらしく、2人のやり取りがものすごくリアル。ちょっとした会話がよくて、字幕にするのが楽しかった!


2人が激しく言い合うシーンは、見ていて胸が痛くなるほど。わざと相手が傷つく言葉をぶつける娘と、口下手でうまく言葉にできない父。

こういう言葉を訳す時、どんな気持ちで言ってる?これほど激しい口調で言うのは、どんな日本語?どうしたら、この言い合いのリズムをそのまま伝えられる?…そんなことを自問自答しながら言葉を選びます。

言い合いにかぎらず、会話は原音のリズムを壊さずに日本語で伝えたい。そういうところは、ちょっと吹替翻訳っぽいかも。読んでいるのに読んでいない字幕が理想です。

2人で熱唱する「Bleeding Love」もすご~くよくて、歌えるくらいリズムに乗るよう意識して訳しました。うまくいっていたら、うれしい!


そんなわけで『ブリーディング・ラブ はじまりの旅』、とってもお薦めです。

トレスポを観直したくなっちゃうかも。

(なぜか画像を挿入できず、今回は文章のみ。残念!)