NHK朝ドラ「ブギウギ」が好評です。

戦前戦後と人気だった笠置シヅコさんをモデルに

波乱馬上の人生を描いたドラマです。

野球雲2号「BASEBALL SONGS 」で

笠置シズコさんの野球ソングを紹介しています。

 

★ 戦後の復興は ブギウギのリズムに乗って 

 

 ホームラン・ブギ/笠置シヅ子 

 

 

ブギウギが最初に人気を集めたのは 1910 ~ 1920 年代のシカゴ。

この8ビートのシャッフルの リズムを、

日本流に取り入れたのは作曲家服部良一 だった。

 

本題に入る前に野球にまつわるエピソード をひとつ。

ジャズ史で「ブギウギ・ピアニストのパ イオニア」と言われている

ジミー・ヤンシーは、地元ホワイトソックスのクランドキーパーとして

半生を過ごした男なのだ。

 

このブギウギが太平洋を渡り、 日本の野球の歌となったなんて、

なんという縁なんだろうか。 

 

そんな曲が今回紹介する昭和 24 年(1949)発売の「ホームラン・ブギ」だ。

作詞はサトウハチ ロー、歌うのは笠置シヅ子。

前年服部が笠置のため に書いた「東京ブギウギ」が空前のヒット。

 

笠置の ちょっとかすれた声、

あけっぴろげな歌唱、

派手な ステージパフォーマンスがあいまって、

世はブギウ ギの時代へ!

 

戦後の復興はブギウギのリズムに乗っ て加速した。

笠置が歌ったものだけでも

「さくらブ ギウギ」「ヘイヘイブギ」「博多ブギ」

「北海ブギ」 「大阪ブギウギ」「ジャングルブギ」

「買物ブギ」あ るわあるわ…。 

 

さてさて、「ホームラン・ブギ」を聴いてみよう。 「

ホームラン・ブギ」は、日本の数え歌スタイルをとっている。

 

レコードでは三番が省かれているが、 

歌詞には日米のホームランバッターが挙げられている。

「カイナー」はラルフ・カイナー(1922 ~)、 

パイレーツやカブスなどで活躍した右投右打の外野手。

「マイス」はジョニー・マイズ(1913 ~ 1993)、

カージナルス、ジャイアンツでホームラン 王を 4 度獲得した右投左打の一塁手。

 

一方日本代表 は「川上哲治」と「青田昇」。

八番で出てくるのは、 1リーグ時代の8つの球団だ。

 

 ♪八つチームのホームラン・ブギ 「虎」に「巨人」に 

「ロビンス」「阪急」 「鷹」に「東急」 

「中日」「スターズ」 みんな揃って 

元気な元気な選手 最後の九番に出てくるのは、

かつては甲子園の名 物だったラッキーゾーン。

 

これはホームランが出にくくなるのを慮って、

球団が昭和 22 年(1947) に設けたもので、

平成3年(1991)に廃止されている。

 

金網を忍者のようによじのぼって、

ホームラ ンをキャッチなんてこともあった。

 

 ♪一つかんと打ちゃ ホームラン・ブギ 広いスタンド

 拍手が湧けば 飛ぶよ飛ぶ飛ぶ はるかのはるか 空の青さよ 

 

芝生の芝生の青さ 平成 15 年(2003)には吉田拓郎もカバー。

こ ちらも悪くはないが、

 

笠置バージョンには、厳しい 時代を生き抜き、

野球を楽しもうとする人々の明る い笑顔が浮かんでくる。

ホームランがなかったとしたら、野 球はやっぱり味気ない。

青空に白球が描く美しい曲線、

ホームランがつくるドラマを見続けていきたい。

 

 

 

 

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