船橋市中山にあった

吉澤野球博物館の旧館(当初の博物館)が

残念ながら取り壊され、現在更地になっています。

以前から、旧館がどのような使い方になるか?

気になっていましたが、残念な結果になりました。

先日、気になり跡地に行ってみました。

見事なまでに更地でした。

 

 

跡地は集合住宅になるようです。

 

2016年に吉澤野球博物館は解散し、

船橋市に譲渡され、譲渡式は盛大に行われました。

大正時代、戦前昭和の野球資料は素晴らしく、

千葉県船橋市に野球史、野球文化を伝える場所が残ることに

嬉しく思い、旧館もどのように展開していくのか?

静かに待っておりましたが、現実は厳しいです。

 

現在は船橋アリーナに「吉澤野球博物館資料展示室」として

展示されており、決してネガティブなものではありませんが、

創設の地がなくなるのは寂しいものです。

 

財団創設時の理事の顔ぶれが戦前野球界のレジェンドの名前があります。

 

後半は以前解散の報を受けて書いたブログです。

 

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1979年4月
船橋市に小さな野球博物館が出来た。
船橋市在住の吉澤善吉氏が私財を投じて創設したのだ。

創設後、10年は私設博物館として運営し、1989年財団を設立。
その後、知る人ぞ知る存在として一部野球ファンが通っていた
野球博物館が2015年3月31日に35年の歴史に終止符を打ちました。
1年の残務処理を行い、2016年5月31日の全ての活動を終了します。





2006年、野球のトピックを探しに伺ったのが初めてでした。
下総中山駅から千葉街道を船橋方面に歩くこと10分、
吉澤野球博物館があった。

当初、存在は知っていたものの。個人レベルの小さな記念館的なものと
思っていましたが、入館すると野球史に出てくる貴重な所蔵品に驚き、
小さいながらも戦前までの東京六大学野球の歴史を知ることが出来る
なぜ、もっと早くこなかったのか!と後悔したものです。

貴重な展示物は数々あれど、一番衝撃的だったのは
大正時代、昭和初期に活躍した伝説の野球人の
インタビューテープがひっそりと飾られていたことでした。
テープの数は39人。


六大学選手インタビュー一覧

1.井口新次郎      早大
2.谷口五郎       早大
3.石黒久三       早大
4.佐藤茂美       早大
5.河合君次       早大
6.呉 明捷       早大
7.二出川延明      明大
8.伊達正男       早大
9.芥田(氷室)武夫   早大
10.若原正蔵       早大
11.田中勝雄       早大
12.新田恭一       慶大
13.水原義雄       早大
14.井土敏慧       早大
15.大館盈六       慶大
16.瀬木嘉一郎      早大
17.鈴木 茂       法大
18.八十川 胖      明大
19.石井順一       早大
20.多勢正一郎      早大
21.松木謙治郎      明大
22.小杉良和       早大
23.山本(岡)泰三    慶大
24.吉田 要       法大
25.南村侑広(不可止)   早大
26.牧野直隆       慶大
27.町田重信       慶大
28.増田稲三郎      早大
29.藤田信男       法大
30.島 秀之助      法大
31.広岡知男       東大
32.永田三郎       早大
33.山城健三       立大
34.神田順治       東大
35.山下 実       慶大
36.久保田 泰二     東大
37.吉田正男       明大
38.白川勝尭       早大
39.相田暢一       早大




そして、先日新たな事実をお聞きしました。
40人めに三原脩さんを予定し、インタビューの約束もしていたこと。
そして、インタビュー前日に残念ながら亡くなってしまったこと。





代表理事の海保さんとは、野球雲はずっとお世話になった。
いつも優しく、時には厳しく指導していただいた。
そして、野球雲で大正時代の野球を特集をする際には
貴重なお話を聞かせていただいたり、史料も拝見させて頂いた。

野球雲は吉澤野球博物館との出会いがなかったら創刊されなかった。
それくらい、知らない野球の歴史を知るチャンスをくれた貴重な施設だった。
2017年春から船橋市スポーツアリーナで一部常時展示しています。
規模は今までのものより、小さくなるものの
先人の魂を受け継ぎ、次の時代へ伝えてくれるはずだ。


その為にも、少々不便な場所かも知れないが、
野球文化に興味のある方は、吉澤野球博物館の財産を引き受けてくれた
船橋市に対して暖かくも、どのように伝えてくれるのかを
見守っていく必要もある。

様々な事情があって、吉澤野球博物館は解散してしまったが
野球史が船橋市に残った。それだけでもありがたい。
でもやはり、寂しい。


今後も吉澤野球博物館は応援していきます。

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