野球雲10号で消えた球団特集
「羽ばたいた駒鳥たち~松竹ロビンス」で
「職業野球にかけた企業家たち」を
寄稿していただいた山際康之氏の新作です。
衝撃のタイトルです。
戦前、職業野球時代の影の歴史を丹念に調べ上げ
野球史のタブー化している部分を
ある意味、勇気のあるノンフィクション作品であります。
以下が、書籍の紹介文です。
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仲間が戦場に行くなか、
なぜ野球賭博に手を染めなければならなかったのか
戦時下の貴重な娯楽として国民を楽しませていた
職業野球に闇の手が伸びる――。
昭和11年、巨人軍、タイガースなど七チームによる職業野球リーグが発足すると、
連盟はすぐさま、大リーグで起きた八百長事件を懸念して、防止策を急いだ。
しかし、それをあざ笑うかのように、不正をはたらく選手が現れた。
そして、他のチームへと拡大の様相をみせていく。
選手たちを召集する巨人軍。苦悩する沢村栄治……。
なぜ選手たちは、連鎖するように次々と不正に手を染めていったのか。
戦時下の八百長事件を、
当時の資料や証言を丹念に積み重ねることにより追跡していくと、
浮かび上がったのは、今なお繰り返し起こるプロ野球界の不祥事の本質だった……。
賭博の予想に使われた野球雑誌をはじめ、
戦前・戦中の貴重な写真、資料、新聞記事を多数収録。
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野球雲を作っていくうえで、野球史を直視することは
とても重要で大切なことです。
そして、本文に出てくる、「不祥事」をした選手の物語と
それを不祥事に加担しなかった野球人、球団、リーグ関係者との綱引き。
その、実名ときっとこの選手なのだろうという事実・・・。
心揺さぶられます。
戦後、名選手と言われた選手が実は加担していたこと、
ある記録で日本一の数字を出している選手の堕ちていく様子・・・。
本当の悪は何なのか?かくも人間の弱さ、当時の時代背景
もしかしたら、令和の世でも出現する可能性がある怖さ。
戦前、職業野球を続けていく苦労と苦悩。
読んでいくうちに、野球が大好きだからこそ、
冷静に読んでいかないといけない気持ちになる書籍でした。
プロ野球の歴史を知るゆえに
避けて通ることが出来ない重要な野球本です。
八百長リーグ 戦時下最大の野球賭博事件 (角川書店単行本)
1,485円
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