「ちかいの魔球」は
原作 福本和也、画 ちばてつやの野球漫画です。
秋田書店から発売されているサンデーコミックスですが、
1961年~1962年にかけて少年マガジンに連載された名作。




巨人の星に多大な影響を与えた作品で、
プロ野球選手が実名でかなり多く出てきた本格的なもので、
その後のプロ野球を舞台にした漫画の元祖的存在。
 
連載開始当時、ちばてつやは野球を全く知らず、
ピッチャーマウンドもプレートも描いていない。






3巻辺りから、マウンドらしきものも描かれ、
少しずつ野球の躍動感が増してきた。
1巻表紙にはマウンドがある。

連載の始まった1961年は川上監督1年目、
長嶋茂雄が3度めの首位打者を獲得した頃で、
川上監督もV9時代の頃よりだいぶ柔らかい。
王貞治も一本足打法前と完成後の両年を跨いでいるので
若干影が薄い。

中日の権藤博、大洋の秋山登、阪神の村山実などの
レジェンド選手も多数登場し、今でも心躍る。
川上哲治監督が主人公二宮光のボールをキャッチする場面で
左利きのはずなのに、右利きになっているのもご愛嬌。





少女漫画出身のちばてつやらしく、少女の絵は
今でも可愛く、凛々しい。






最近、実名の野球選手が出てくる漫画がないのは寂しい。
権利関係で最近は使えないらしいが、逆にプロ野球を
子供たちに知らせるためには、もう少し緩やかにしても良いのではないかと思う。

 

(2017年の記事の再掲)

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