いくつかの組織を繋いでいくことが今の仕事の一つになっている。企業もそうだが、今や小さな組織ではなかなか立ち行かなくなってきている。

だが、このつなぎは一つ間違えば大変なことになる。組織が大きくなるだけ、互いに身動きが取れない事態を招きかねない。

ゆえに、つなぐためには、つなぐことへの必然性とつなぐための技量が求められる。もともとつなぐべき両者にその必然性が自覚できない場合が多い。

そのため、つなぐ役目を果たす者が、それとなく、もしくは意図して繋がることのメリットに気づかせる。そして、両者の間に入り、つなぐ場を設定する。

つなぎ方にも細心の注意が要る。繋がり方や両者の連係のあり方などを指南する。つながりが軌道に乗るまで、幾度か間に入って調整を繰り返す。

最後にこのつながりが強固なものになったら、静かに身を引いて、あたかも昔からつながっていたかのような雰囲気に作ってしまう。これで、業務は完了する。

表舞台に立つことなく、誰からも感謝されることのない仕事。よって、その業績も評価されることはない。

だが、このつなぎという仕事をした人間は誰もが感じることだろう。この組織を大きくしたのは管理職でもなければ現場の者でもない。紛れもなく自分自身であるということを。

これこそ究極の自己満足かもしれない。