父からご先祖様や家系の人の
功績などの良いことはあまり聞いたことがないが
悪いことなら時々聞いた
明治維新に貢献したご先祖様の子か孫なのかはわからないが
父の祖父は稀代の遊び人だったらしい
生まれた家にはご先祖様の築いた地位と財があったが
父の祖父がまったく働かず
呑む、打つ、買うで遊びに費やし、食いつぶしたという
家の外にも妾さんや子供が何人もいたと聞いた
父の祖父が大きくなるころには
財がほとんどなく貧乏な暮らしぶりだった
父の祖父も兄弟が多く生活は大変だったときいた
また父の祖母も主人の女遊びの影響なのか
すこしクセの強い女の人だったらしい
自分の子供たちに向かって
「○○子は好きだけど、○○子は好きじゃない」と
好きな子供と嫌いな子供をはっきりと口に出し区別したという
親に嫌いと言われる子供の気持ちを
想像するだけでとても胸が痛い
体がそれほど大きくなかった祖父も
かなり母親から冷たくされて育ったときいた
父曰く
父の祖父は稀代の遊び人だったが
ひとつだけ特技があった
それは筆が達筆であったことだった
父の祖父は働くということをしなかったが
自慢の達筆を買われて
四国のどこかの市役所の表札を筆で書いたのが
生涯でした唯一の仕事になったらしい
財を食いつぶして貧乏になりつつあり
子供たちの食事がどんどん貧しいものに変わっていても
自分の酒と肴は確保されてたというのだから
これまたとんでもない
最後に死ぬときは
子供たちに「これはオレの肴だから絶対食うんじゃないぞ」と言って
当時、高級品だった明太子を独り占めしながら大事に食べていて
その明太子に当たって死んだという・・
「欲張るもんだからバチがあたったんだな」と
父がよく笑い話につかっていた
私の祖父は
そんな遊び人で財を食いつぶした父と
子供を好き嫌いで区別するクセの強い母の間で
生まれたという話を聞いたとき
「なるほどね・・・・。」と
思ったのを覚えている