さて、本日から個人的ランキング記事を書いて行きたいと思います。まずは「2019年劇場鑑賞映画ベスト10」ということで。こちらはもう、昨年劇場にて鑑賞した映画全てを対象にして、ベスト10を勝手に作っていきたいと思います。例年のことですが、中にはもうソフト化もされている映画もあると思います。お勧めですので、参考にしてもらえたら嬉しいですね。では、早速発表していきたいと思います。

 

 

・2019年劇場鑑賞映画ベスト10

 

第10位 蜜蜂と遠雷(2019)

 

 

製作国:日本

監督:石川慶

出演:松岡茉優、松坂桃李

 

寸評:原作を読んでいた自分はこれをどう映像化するのか興味があったのですが、実にスマートと言うか、かなり思い切った方法で着手していた印象であります。正に「音楽」をベースにして映画作りをしていました。確かに「説明不足」と思われるような作りではありますが、ある意味、その「説明」と言う物を文字通り排除して、堂々と映像と音楽で乗り切ったその度胸と手腕に、一票とを投じます笑。なかなかここ最近のメジャー邦画では、こういった作られ方も無いでしょうから、結構新鮮な映画だと思いますね。清々しい映画だったと思います。

 

 

第9位 アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)

 

 

製作国:アメリカ

監督:アンソニー・ルッソ/ジョー・ルッソ

出演:ロバート・ダウニー・Jr、クリス・エヴァンス

 

寸評:まあこの、「2010年代」を代表するシリーズと言えば、「MCU」になるでしょうか。正にこの一強だったと言っても過言じゃないかもしれません。しかし、このプロジェクトが始動した頃は、まさかここまで世界的ムーブメントになるとは、自分も思っていませんでした笑。ぶっちゃけ、無謀にも思われたプロジェクトを見事成功させ、世界一ヒットした映画と言う偉業まで成し遂げたこの作品は、何だかんだランクインさせないわけには行きません笑。「ユニバース方式」と言うような、新たな映画のエンターテイメント方式を確立したと言う意味では、功罪もあるでしょうが、いずれにしても歴史には残る作品であります。

 

 

第8位 クリード 炎の宿敵(2018)

 

 

製作国:アメリカ

監督:スティーヴン・ケイプル・Jr

出演:マイケル・B・ジョーダン、シルヴェスター・スタローン

 

寸評:前作も大好きですけど、続編もまた良い映画だなと思いましたね。「スポーツ映画」としてはお手本のような映画だと思いますね。やはり、主人公側はもちろん、相手側の葛藤や苦悩までを描いて、しっかり焦点を当てる作りは、「器用」と言う他ありません。結局、「ボクシング」を通して、その結果云々、勝敗云々でのカタルシスももちろんありますが、根底にあるのは「己との闘い」と言う部分でありまして、これは正に普遍的であります。また、ちょっとそのスタローンやドルフ・ラングレンなど一時代を支えたアクションスターのメタ的意味合いもあるような気がして、映画ファンであればあるほど、またぐっとくるような作りにも自然になっていると思いますね。

 

 

第7位 運び屋(2018)

 

 

製作国:アメリカ

監督:クリント・イーストウッド

出演:クリント・イーストウッド、ブラッドリー・クーパー

 

寸評:イーストウッドの映画をこうやってイチイチ、ランクインさせるのももはや野暮かもしれませんが笑。でも、良い映画だったんですよ笑。イーストウッド自身が「時代に取り残された男」を演じているのも面白くて、彼が語る一言一言が、まるでイーストウッド本人が話しているように聞こえるから面白いし、深みがありますね。この映画、その時代の移り変わりをとことん描いてはいると思いますが、ただ、「家族」であるとかそういった物が、時代が変わってもなお大事であるって言う、非常に一市民に寄り添った作りになっていることが、この映画の価値だと思いましたね。それを小難しそうに熱心に語るわけじゃ無く、ユーモアを以って描いている所に、作り手の余裕を感じます。

 

 

第6位 トイ・ストーリー4(2019)

 

 

製作国:アメリカ

監督:ジョシュ・クーリー

声優:トム・ハンクス、ティム・アレン

 

寸評:「運び屋」同様、奇しくも「時代」を考えさせられる映画でしょう。こちらはもっとある意味残酷に描いているかもわかりません笑。「アニメ」とはいえ、かなりこれは熟成された映画でしてね笑。ちょっと達観した内容にはなっていると思います。まあ、大人気シリーズでありますし、今回はかなり賛否が分かれる内容でしょうね。それもわかるんですが、ただ、4作目ともなって描くとしたらこう描くしかないし、そこから逃げずに完結に持って行ったのは、やっぱり勇気とセンスが必要だったことと思われます。もはや「おもちゃの世界」を超越して、本当にリアルな「世界」を構築してしまった映画とも言えますね。1作目から通して見れば、本当に映画自体が成長していることがわかると思います。

 

 

 

第5位 アス(2019)

 

 

製作国:アメリカ

監督:ジョーダン・ピール

出演:ルピタ・ニョンゴ、ウィンストン・デューク

 

寸評:昨年はホラー映画が色々公開しましたが、自分が見た中で一番楽しめたのはこちらでしたね。なかなかショッキングだったり、あるいは身の毛もよだつ雰囲気など、ホラーとして隙が無い作りも良い。エンターテイメント的にも富んでいますし、さらに言えば、この映画の根底にある社会風刺的側面も、非常にわかり易いですね。一見しますとかなり突拍子もない世界観が提示されますが、ただ、その分作り手の強い意志が見えて、単純な「ホラー映画」と割り切ることのできない、迫力みたいなのを感じます。見終わった後、なかなかの余韻にも浸ることができますし、まあホラー嫌いの方でも一度はこれ見ておくことをお勧めしたいですね。

 

 

第4位 ファースト・マン(2018)

 

 

製作国:アメリカ

監督:デイミアン・チャゼル

出演:ライアン・ゴズリング、クレア・フォイ

 

寸評:歴史上の実在人物を描いた映画は数ありますが、これまた実に奇妙な一作。その歴史の一部分を単にお勉強すると言うよりは、かなりこれは、その一個人に迫った映画と言う感じでしょうか。ですから、感情移入できない観客もきっといると思うんですね。「人類史上初の月面着陸」という文句だけ聞いたら、スカっとしそうですが、全然映画の感じは違う笑。主人公による「精神的な自殺」に近いって言うか、そういう個人的感情に焦点を当てていると言う、そこにこそまあ、この映画のミソがありますね。確かな演出力で実に良質な映画に見えますね。この監督さんは「セッション」や「ラ・ラ・ランド」でも有名ですが、結局の所、立場的成功と、個人的成功との関係性は違うって言うかね、そこの部分に徹底してフォーカスを当てている。色んな切り取り方があって、自分は深いなと思いますね。

 


第3位 ジョーカー(2019)

 

 

製作国:アメリカ

監督:トッド・フィリップス

出演:ホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロ

 

寸評:言わずもがな今年大ヒットした映画の一つです。大ヒットした割には映画の内容はかなりダークですがね笑。しかしまあ、過去の映画のオマージュって言うかそういうのに溢れた映画ですが、かと言って、古臭さが無くて、むしろ何かモダンにすら見えるのは不思議ですね。かと言って、「アート」にはなっていないし、かなり普遍的に観客の気持ちをこれは掴むと思います。「ダーク」とは言っても、この映画にはこの映画ならではカタルシスが存在していまして、出てくるのは一級犯罪者なわけですが、それでもなお、何故か我々に少しだけ勇気を与えてくれるような、ちょいと危険な匂いがする映画ですね。でもまあ、ヒットすると言うことは、今どれだけ世の中に「ジョーカー」予備軍がいるかってことですよね笑。

 

 

第2位 グリーンブック(2018)

 

 

製作国:アメリカ

監督:ピーター・ファレリー

出演:ヴィゴ・モーテンセン、マハーシャラ・アリ

 

寸評:昨年の米アカデミー作品賞を上位に推すこともまた野暮でしょうがね笑。世間的には確かにこれは教科書みたいな映画とも言われていますね。差別問題を確かに描いた映画で、まあ「賞狙い」の一品と揶揄されることもあるかもしれない。ただ、自分がこの映画に感銘を受けたのは、そういった今もある社会問題を、真顔で描き切るのではなくて、コメディとして描いている点にセンスを感じるわけです。極端に言えば、差別問題の現実を全く知らない人がこの映画を見たって、単純に「面白い」と思えるはず。それが重要だと思いますね。ただ「これが問題だ!」って叫んでるだけの映画では無くて、エンターテイメントの中でテーマを如何に消化していくか。それをコメディと言う手法で描くことは、これはなかなかできないことだと思います。それこそユーモアセンスが無いと。まあ、とにかく映画にはそういった「ユーモア」が大事だと言う、それがわかる一作と言う意味で重要だと思います。

 

 

第1位 ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(2019)

 

 

製作国:アメリカ

監督:マイケル・ドハディ

出演:カイル・チャンドラー、渡辺謙

 

寸評:栄えある第1位はこちらの映画です笑。(笑)が付くのが申し訳ありませんが笑。何せまあ、ハチャメチャな映画ですからね、これは笑。なんでも、実際あんまり米国じゃヒットもしなかったそうなんですけど笑。残念ですね笑。確かに「モンスターバース」と銘打ってはいますが、本家「MCU」の勢いには及ばない。これはしょうがないですよ笑。この作品単体で考えた時、映画の文法としては、確かに滅茶苦茶と言って良いと思います。でもですね、とにかくまあ「これを見てくれ!」って言う、映画からの押しとか圧が強い笑。それをされると、こっちも溜飲が下がります笑。実際にかなりのド迫力ですし、また「画」としての構成も上がるポイントは結構ある。怪獣好きにしかたまらない映画なんでしょうかね笑。中身は無くても、美的センスだけはこれむしろある方だと自分は思いましたよ。いくら映画的におかしかろうが、この堂々たる心意気に自分は「天晴れ」と言いたいですよ笑。それこそ、ただおとなしく真面目なことを延々と描いている映画に比べたら、まあこれくらい本気でバカやってくれる映画が、何だかんだ自分は愛着が持てるんですよね笑。

 

 

 以上が2019年劇場鑑賞映画ベスト10となります。皆さん、どうでしょうか笑。異論がある方も多数いるんでしょうが、あくまで個人の感想ですから、文句は言わないでください笑。1位~5位は、奇しくも何て言うか、非常に個人的な視点から描いた映画にも見えますね。「ゴジラ」に関しては、正に「ゴジラ」と言う個人を描いた映画と言う意味じゃ、素晴らしい笑。ただ、その個人的な視点で描いた映画が、着眼点が良いと、やっぱり時代を描いた映画になっている。時代とは正に「今」ですよね。ジャンルや内容は全く違えど、そういった共通点が見えるのも面白いなと。また、「ゴジラ~」のレビューにも書きましたが、確かに映画の文法ってのは存在していて、「上手い脚本」って言う教科書はそれこそ存在するんですよ。でも、最終的には上手いか下手か、って話じゃない。やっぱり「これを見てくれ!」って言う作り手の大きなメッセージが透けて見えること、それが良い映画の条件だと個人的には思いますね。ですから、それを見せる為に幾分か映画が奇妙になろうが、異質になろうが、実は自分にとってそれはあんまり関係のない事なんですよ。まあ、ノミネート紹介記事にも書きましたが、評判が良いのに見れなかった作品も多々あるのでね。それはまた、今年拾っていきたいと思います。とりあえず、「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」、晴れて第1位おめでとうございます笑。「ゴジラVSコング」も期待してます笑。ってなことで、次は自宅にて鑑賞した映画「総合映画ベスト10」と言うことで、後日発表したいと思います。