事情があって、広い敷地の家に一人残っている。
まぁまぁビビりな犬だった。

風でヒラヒラとはためく布にも
ビクゥっとするくらい。
でも初めて会った私の手からおやつ食べれるんだから
きっと大丈夫だよね。


すごく可愛い顔しているんだよ。
冬毛がやばい!
もっと仲良くなってブラシして、お顔を拭いてあげたら
里親さんなんて
すぐ見付かっちゃうんじゃないかって思うんだ。
ここには夏までしかいられないってお話だから
それまでになんとかしなくっちゃ。

怖がりだったら大変かも、とか思うかもしれないけど
結局は、その犬の個性をどう見るかってだけな気もしている。
色んな姿を見せてくれる犬を楽しい犬と言うのか
落ち着きのない犬と言うのか
ほとんどは、たったそれだけなんじゃないだろうか。
なかなか上手く伝えられないのが悔しいんだけれど
わたしが教えてもらって、この心に芽生えた想いっていうのは
そのままで、もうじゅうぶん大好きだよ ってこと。
犬と暮らす誰かが
その心に何を想うかで ぜーんぜん変わってくる。

それが本当の想いになった時に
私は犬が大好きになった。
これまでとは違うシンプルさで。
なるべく個性を殺さないようにしたい。
私と君が、どっちかっていうと君のが少し快適に生きていける。
それで良い。
だって君は、わたしと生きることしか選べないんだからさ。
そして それは
して差し上げてるのとは違うんだよ。
したいから するのであって。
して差し上げるってお話しは、
どうにも居心地が悪いのだ。
(それはきっと わたしにも して差し上げ時代があったから)


この日
雨に濡れながら、おっかなびっくり近付いてくる
可愛い顔の君を見ながら、わたしが大事にしている根本を思い出したんだ。



























