ウォーラスのトレッキング体験記「ヤマログ」 -4ページ目

ウォーラスのトレッキング体験記「ヤマログ」

私のトレッキング記録「ヤマログ」の電子版です。主として山歩きの情報や感じたことを書いています。山に登れない時はなにを書こうかな・・・。

<承前>

8/21 鳳凰小屋から広河原-白根御池小屋へ

04:20頃 起床 晴天。小屋の朝食は5:30からと聞き、少し遅く感じたので弁当にしてもらう。

5時前、誰もいない鳳凰小屋の食堂で独り弁当を食べる。

さて、今日は鳳凰山から白峰三山縦走のスタート地点に向かう中継日。本番は明日を想定しているため、今日は出来るだけ楽に疲れずに白根御池小屋に到達するのが目標だ。抜いていこう(出来れば)。

 

 

05:00頃 小屋から地蔵ヶ岳に向かう前に、鳳凰小屋周辺に富士見台と呼ばれる富士山を望める場所があると聞きそこへ向かう。(方向は逆だが・・・。)

 

 

05:10頃 富士見台。雲に浮かぶ夜明けの富士を眺める。なかなかの景色だ。

鳳凰三山縦走路からは、白峰三山は良く見えても富士山は望めない。ここは貴重な富士を見るスポットらしい。

 

05:20 鳳凰小屋(2382m)を出発し、地蔵ヶ岳へと登り返して行く。およそ1時間の行程と聞いた。

樹林帯の急坂を行くこと30分ほど。今度はザレ場の急坂に差し掛かる。

 

 

確かに急坂で足元は良くないがが、思ったほどは足元が崩れず踏ん張りがきく。これなら何とか消耗せず上れそうだ。

自分が思う最高最悪のザレ場登りは、九州鹿児島霧島連山は高千穂峰のザレ場であろう。

6年ほど前の新燃岳の噴火で、新たな火山灰が堆積した高千穂峰のザレ場は、一歩上がる毎に同じ場所まで下ってしまうため、分厚い砂場を必死で足掻き続けなければならない。

そこでは皆下りが優先となる。「三歩歩いて二歩下がる」「地獄のディスカウント坂」と山人は呼ぶ。ただ1時間半かかる地獄の登りも、砂走りで下れば30分だ。(笑)

 

06:15頃 昨日来た地蔵ヶ岳の賽の河原。少し雲が出てきたが、早朝のオベリスクも美しい。

 

 

06:30 赤抜沢ノ頭(2750m)。少し前からGPSが妙な音を立てている。警告音か?

よくよく調べてみると、どうやら鳳凰小屋を出る時から衛星捕捉に失敗していたらしい。

つまりは正しいトラックログが取れていないということだ。まあ仕方ない。

 

 

赤抜沢ノ頭から白鳳峠までの稜線を行く。この稜線歩きは変化に富み面白い。岩場と小刻みなアップダウンの繰り返し。なにより眺望がすばらしい。

 

 

07:16 高嶺(2779m)。本日の行程での最高地点となる。

 

 

ここからの眺望は本当に素晴らしい。正面には北岳が大迫力で迫って来る。

右手には甲斐駒ヶ岳(2967m)の白きピラミッド。鞍部を挟みその左手には仙丈ヶ岳(3033m)の雄大な山容・・・。

ここはまさしく南アルプスの中核地帯であることを実感する。

 

 

 

 

高嶺を過ぎると白鳳峠に向かっての下り。ハイマツ帯のゴーロ道、今度は甲斐駒が進行方向の正面に。

 

 

 

08:14 白鳳峠(2450m)。樹林帯の中に標識がある。ここで小休止。

 

 

ここまで意識的にゆっくり来たつもりだが、なかなか順調なペースだ。

一日の水1.5L、荷重は11-12kg、昨年の反省を生かし荷を軽くしたことで、縦走でのダメージはほとんどないようだ。

 

08:30 白鳳峠を左折すると、広河原近くにある白鳳峠入口までの長い下り道となる。

実はこの下りはあまり重要視していなかった。ところがこの下りは本日最大の難所であった。

しばらくは谷筋のゴーロ。足元が安定せず神経を使う面倒な急坂。しかも天気が良すぎて暑い・・・。

 

 

正面に良く見える北岳を時々眺める。谷筋にはまだ雪渓が残っているようだ。夏の終わりでも溶けないんだ・・・。

 

とか油断した次の瞬間。変な角度の岩の上に置いた、右の靴足先が妙な角度に曲がった。

靴の中で右の親指が悲鳴を上げた気がした。激痛が親指に走る・・・。これはしくった・・・。

靴を脱いでダメージを検証する。足指の捻挫の類だろうか、しばらくすると痛みは軽くなったが親指が曲がると痛みが走る。

テープで足指を固定し靴の中で曲げないようにすると、なんとか支障なく歩けるようだ。

しかし急坂は続く。痛めた足に急坂の下りはつらい。相変わらずのゴーロが続く・・・。

 

道はゴーロから樹林帯に変わったが、急坂は変わらない。明らかに下るペースは落ちた。

仕方ない、まだ足指は時々悲鳴を上げている。最近記憶にないつらい下りとなった。

本当にこの坂は急で険しい。次来る機会があっても、この坂を上がるのだけはやめとこう。

 

10:07 白鳳峠入口のある車道。永遠に続くかと思われた急坂下りはようやく終わった。

 

 

10:18 野呂川流域に面する広河原(1529m)に到着。高嶺から下ること1250m。北岳(3193m)を中心とする白峰三山の登山口だ。

 

 

幸い時間的には十分余裕がある。痛めた足のケアと下りのダメージの回復、昼食にたっぷり時間を使うことにしよう。その前にに広河原バスターミナルのバス停を下見を。

野呂川にかかる吊り橋を渡ると、(あまり評判がよろしくない笑)広河原山荘がある。

近くのベンチで野呂川を眺めながら昼食と水の補給。足指はまだたまに痛みはあるが、山行には耐えられそうだ。

 

 

11:15 休憩もたっぷりとった。足指のケアもできた。さあ出発だ。

今日の目的地、白根御池小屋は大樺沢二俣から少し戻った2200m程の標高にある。

広河原から700m近く登る。白鳳峠から見た北岳では相当登っていたが・・・。

 

 

 

11:38 大樺沢の分れ。ここで道は二手に分かれる。右は白根御池小屋直行だが、傾斜が急と聞く。左は大樺沢に沿って大樺沢二俣(2209m)まで徐々に高度を上げていく道。

今日のミッションは疲労を残さず登山口に到達すること。時間もたっぷりある。大樺沢をのんびりと行く。

 

 

登山道はしばしば流水に覆われている。今日みたいな日には涼しくて最高だ。

今回の山行では初めてとなる、沢沿いの登山道は新鮮で楽しい。

だが長いのでそこそこ時間はかかる。まあ焦らずのんびり行こう。

 

13:43 北岳登山道の要衝、大樺沢二俣(2209m)2時間半でついた。ここで道は3方向に分かれる。右俣コース、左俣コース、白根御池小屋行。

 

 

ここでしばらく休憩と登山道の観察。左俣(八本歯のコル)への道には雪渓が見える。

 

 

 

面白そうだが、今回のコースには入れていない。白根御池小屋に行こう。

14:05 なだらかな、ほぼ水平に近い楽道を15分ほど歩くとすぐに到着する。

 

 

14:20 白根御池小屋に到着。今日の宿泊予定地。アクシデント発生の割には順調に到着した気がする。

白根御池小屋は、評判の新しくきれいな小屋だ。設備サービスも申し分なかった。

 

 

小屋前のテーブルで生ビールを片手に景色を楽しむ。いいところだ。だから山は止められない。

 

 

予定通り小屋でゆっくりし、明日の準備。明日こそがこの遠征の正念場になることだろう。

明日は白根御池小屋から北岳に向かい、更に間ノ岳を越えて農鳥小屋まで歩く。白峰三山の核心部縦走となる。

天候もまあまあみたいだし、足指は大丈夫そうで、疲労の蓄積もない。

明日はどんな一日だろうか。予測のつかない非日常の世界こそが山の世界である。

 

いつの間にか消灯の時間だ。静かに、出発の時を迎えるべく休むことにしよう。

<続>

 

本日の行程  11.18km  7 h 48m