初めて個人旅行、そして、ヨーロッパへ行ったのは、今から29年前、大学4年生の2月、卒業旅行でした。その頃は、インターネットはもちろんなく、海外旅行のガイドブックも、詳しいものはありませんでした。
地球の歩き方が出始めた頃で、国別ではなく、「ヨーロッパ編」と「東ヨーロッパ編」だけで、載っている地図は大雑把で、イラストマップのよう。初めて訪れた街は、半日歩き回って、街の感じをつかみました。ホテルについては、読者が泊まった情報が載せられていて、今のように3つ星以上の中級や高級ホテルについての情報は一切なし。シャワー、トイレ共同のペンションや、良くて2つ星、その他、ユースホステルについてが主でした。学生が、あまりお金をかけないで、それでいてある程度安全に旅行できるための最低限の情報が載せられていました。航空券は、個人旅行向けのものはなく、団体用に仕入れた航空券を個人に転用したもので、当時、日本とヨーロッパのエコノミークラスの正規航空券が往復で80万円位していて、その4分の1の20万円が一番安く、大韓航空でした。他は30万円位。航空券を売る会社は、DST(ダイヤモンド スチューデント ツアー:地球の歩き方を発行しているダイヤモンド社の関係)と、リクルートヤングツアーでした。後者は、なくなってしまったみたい。
実際にヨーロッパに着いてから、宿を探し、交渉して、泊まるところを決め、鉄道の切符は、駅か現地の旅行会社へ買いに行きました。今と違って、社会主義の国は、とにかく時間がかかって、それだけで一苦労でした。飛行機も、ノンストップ便はなく、一番速いのがアンカレジ経由。たいていは、シンガポール経由などの南回りで、片道30時間かけて行きました。1回着陸するたびに食事が出て、食べきれませんでした。
こうした経験をしたから、今のように、手とり足とり解説があるガイドブック、インターネットの情報、ネットで航空券も鉄道の切符もホテルも、すべて手配できてしまう時代では、あまりに楽すぎて、旅の楽しみが半減したかのようです。かつては個人旅行できなかったような人たちでさえ、出かけるようになって、やりにくくなりました。
大学時代のような若いころに個人で一人旅をすべきですね。一人で行った先で、いろいろなトラブルを解決して、それが身になります。観光地を巡ることよりも、自分でいろいろと考えて、歩くことのほうが、楽しいし、ためになるのです。卒業旅行、1人で行くべきですね。