
患者さんが帰られた夜8時頃だったか

ホッと一息つく間もなく、自分の仕事を片付けるために、パソコンに向かった

その瞬間とでもいおうか
頭の中で「プチ!」という音がした

途端に気分が悪くなり、患者さん用のベッドに横になった

私の異変に気づいた後輩が驚いて血圧を測ってくれた
異状なし

少し楽になったこともあり「大丈夫よ。しばらく横になるから、放っといて
」人に迷惑をかけることが大っ嫌いな私は、気を使わせない様に別室に移動しようと立ち上がり歩いた
歩けるけどフラフラ宙に浮いてるみたい

とりあえず、院長(産婦人科だけどドクターなので)に相談しようと思ったが、来客中
別室のソファーで横たわり休んだ

来客が帰られた後、院長は心配してすぐに来てくれた

症状を説明し、不安を訴えた
「私、何か、絶対おかしいと思うんです。どうしよう
」いつもの明るい院長の答え
「大丈夫よ!疲れてるだけよ。帰ってゆっくり風呂につかったら治るよ
」大阪生まれの院長だが、東京の大学、東京の生活が長かったせいか、大阪弁丸出しではなく、独特のイントネーション

勢いがあり、いつもいつの間にか、院長のペースに取り込まれる
それが、開業医の魅力なんだなあって、思っていた


でも、その日は、私も続けた
「何か、頭の中ですごい病気になってそうなんです。腫瘍とかつまってたりしたら怖いし、今から病院に行ったほうがいいですかね?」
「大丈夫よ
」また明るく力強い返事少し涙目になりながら「エエ?! でも、こわい病気やったらどうしてくれるんですかぁ~」
「ボクが治してあげるよ!ハッハッハッハ~!さあ、歩けないなら車で送ってあげるから帰ろ!」
その頃には、ドクターマジックにかかって、疲れてるだけかなあ?って思っていた
徒歩5分程だけど、歩く自信がなかった
立派なベンツに乗せてもらった
車ではほんの数分で到着
マンションの入り口で止まり「さあ、帰ってふろ入って寝る!」
お礼を言って1人で帰って行った
11階までのエレベーターが長く長く感じた
帰宅したら少し、ホッとした
自分のベッドに倒れ込むと安心感がでてきた
ん?今日、何にも食べてない。お腹空き過ぎて気持ち悪いのかな?
冷凍庫にあった“アイスの実”を1つ口にした。少し、ホッとした。
とりあえず、寝よう。
お風呂に入る余裕はなかった。
倒れ込むようにして眠り込んだ。
今日も長い1日だったなあって、思いながら…。
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