昨日、三重に向かう途中、新幹線の中にスマホを置き忘れた。

気づいた瞬間、ふっと血の気が引きかけたが、セキュリティはかけてあるので、中身についての心配は薄かった。

 

 

すぐに東海道新幹線の忘れ物センターを調べると、案内されたのはLine Botだった。 

そこに乗車した号車番号、席番号、スマホのモデルと色、待受画面。 

登録したのはそれだけ。

 

5分後、Lineで通知が届いた。 

「見つかりました」。 

 

そのまま着払いで自宅に送ってくれるという。

 

■想像していた手間が、ごっそり消えていた

過去、別の機会で落とし物の問い合わせを電話でしたことがある。 

何分も保留に置かれ、結局戻ってくるまでに随分のストレスがかかった。 

今回は、それと真逆だった。

スピード、確実性、安心感。 そして、自分が動かないでいい設計。

 

■AIが「すごい」だけではない

最初は「Botすごいな、AIすごいな」と思っていた。 

ただ、よく考えると、すごいのはそれだけではないと感じる。

 

号車・席・モデル・色・待受画面、という最小限の情報だけで人とモノを照合できるよう、業務の側があらかじめ整えられている。 落とし物の流れ、保管の仕方、返送までの動線。 

 

そこが組み上がっているからこそ、Botの聞き出す質問は短く済む。

AIが効くのは、裏側に設計がある場所だ。 

設計のないところにAIだけを乗せても、たぶんあの5分は生まれない。

 

■「探さなくていい」という体験

今回、自分は何もしていない。 

電話で粘らなかった。何度も問い合わせもしなかった。

落とした場所を必死に思い出そうともしなかった。 

それでも、スマホはちゃんと自宅に向かってくる。

 

顧客の側に、がんばらせない。 これは、けっこう深い体験設計だなと思う。

問い合わせから返送まで、ぜんぶ込みで、ひとつの体験。 

 

すごい時代になったなと思う。