三重県で、経営者仲間との研修があった。 

仲間同士で経営を学ぶ会を作っていて、自分もそこに混ぜてもらっている。 

 

 

今回の訪問先の社長は、本気で会社を良くしようとしている人で、その熱がそのまま空気になっていた。

新規事業づくり、組織づくり、そして最後は人づくりまで。 

語りの順番に、自分の頭の中とよく似た構造を感じた。

 

■ 壁に、明るい言葉が貼ってある

一番面白いなと思ったのは、社内の至るところに、いろんなスローガンが掲げられていたことだった。

「何もしないと、ただの未来がやってくる 何でもやろう、未来を明るくするために」 

「必要は発明の母、違和感は発見の父」

 

そのどれもが、なんというか、説教臭くない。

 

「規律を守れ」「気を抜くな」みたいな、こちらを縛りにくる言葉ではない。 

未来を一緒に描こうよ、という前向きな、ややチャレンジングなトーン。 

 

書き方もオシャレで、目に入った瞬間に読まされているという感じがしない。

これは、結構な発明だなと思った。

 

■ 言葉は、何もしないと流れていく

うちでも、似たようなことをことあるごとに話しているつもりではある。 

ミーティングで言う、発表会で言う、面談で言う。

経営計画書に書く。

でも、流れていく。

 

口で言うだけだと、その場の温度はあっても、翌週にはもう薄まっている。 

社員の頭の中に、輪郭として残らない。

 

言葉は、放っておくと流れていくものなんだなと、改めて思った。

「壁に貼る」というやり方は、単なる装飾ではなくて、言葉を組織の中に留めておくための装置なんだろう。 

しかも、それを説教にしないために、明るく、前向きで、未来を感じさせる書き方をしている。 

そこまでがセットになって、はじめて言葉が空気になる。

 

■ 同じ方向に、本気で熱くなっている人

語ってくれた事業の構想にも、アスクと似た思想を感じた。 

新しい事業を作っていく、多角化していく、そのために人を育てていく。 仕組みではなく、人を起点にしている。

 

社長の言葉の端々から、従業員を本当に大切にしているんだなというのが、ひしひしと伝わってきた。 

壁のスローガンも、オフィスの作り方も、その延長線上にある。 

環境のすべてが、社員に向けた手紙のようだった。

 

業種も、歴史も、ステージも違う。 それでも、同じテーマで、同じくらい本気で熱くなっている経営者が、同じ部屋にいる。 

これは、経営者にとって相当に貴重な時間だなと思う。

 

良い仲間を集めて、本気で育てていく喜び。 

業種も歴史も超えて、多くの経営者が共有している感情なのかもしれない。 

 

そう感じた、三重での一日だった。