M&Aの支援をしていて、強く感じること。
事業を譲る理由は、本当に人それぞれ。
年齢、後継者、環境の変化、体力、そして将来への考え。
一つとして同じものはない。
ただ、その中でも多くのオーナーに共通している感覚がある。
「譲った後に、この事業がどうなるか」
お客様がどうなるか。
社員がどうなるか。
この会社が、どこへ向かうのか。
価格の話はもちろん重要。
でも、それだけで決める人は、実はそこまで多くない。
むしろ、
「誰に託すのか」
この一点に、最後は集約されていく感覚。
長く続けてきた事業だからこそ、
数字以上のものが乗っている。
現場ではよくある話。
最終的には、オーナー同士のフィーリング。
言語化しきれない相性。
一緒に時間を過ごしたときの違和感の有無。
この人なら任せられる、という感覚。
逆に言えば、ここが合わないと進まない。
ただ、この「感覚」はずっと気になっている部分でもある。
本当に完全に属人的なものなのか。
それとも、何かしらの共通点があるのか。
経験を重ねるほどに、
まったくランダムではない気もしてくる。
うまくいく承継。
うまくいかない承継。
そこには、なんとなく似た空気がある。
ただ、それを綺麗に説明できるほど、
まだ整理されているわけでもない。
だから今は、
目の前の一つ一つを丁寧に見るしかない。
それでも、こういう積み重ねの先に、
少しずつ輪郭が見えてくる気がしている。
事業を「売る」というより、
事業を「託す」という行為。
この解像度が上がるほど、
結果として良い承継が増えていく。
そんなことを、日々の現場の中で考えている。
