先日、長野県立大学で講演をさせていただいた。

 

対象は、4月に入学したばかりの国際マネジメント学科の1年生、約200人。
まだ大学生活が始まったばかりのタイミングで、どんな話が届くのか少し楽しみでもあり、不安でもあった。

 

 

驚いたのは、事前質問の数だった。
数百件。

そしてその内容がとても鋭い。
 

AIを活用している影響もあると思うが、それ以上に「自分ごととして考えている」学生が多かったのが印象的だった。

クラブ活動や将来のキャリアに結びつけて、かなり具体的に問いを立てている。

 

特に多かったのは、

・失敗との向き合い方
・新規事業のアイデアの出し方
・大学生のうちにやるべきこと

この3つ。

 

その中でも圧倒的に多かったのが「失敗」に関する質問だった。

 

どうやって立ち直るのか。
なぜ挑戦し続けられるのか。
失敗を怖がらないメンタルはどう作られるのか。

 

このテーマだけで50件近くあった。

 

自分の中での答えはシンプルだ。

「死ぬこと以外かすり傷」

 

これはただの言葉ではなく、実体験から出てきた考え方だ。

 

うまくいっている時は、自分の未熟さに気づけない。
崩れた時に初めて、自分の弱さや課題が見える。

 

だから失敗は終わりではない。
むしろスタート地点だと思っている。

 

ただ、ここで一つ重要なポイントがある。

大きな失敗を一発で乗り越えようとしなくていい。

 

むしろ逆で、
かすり傷で済むような小さな失敗を、何度も繰り返すこと。

 

これが一番大事だと思う。

 

最初から大きな挑戦をすると、ダメージも大きいし、立ち直るのにも時間がかかる。
それよりも、小さく試して、小さく失敗して、すぐに学ぶ。

このサイクルを回し続ける。

 

そして経験値が上がってきたら、少しずつ挑戦のサイズを大きくしていく。

そうすると、気づいた時には
“大きな挑戦ができる自分”になっている。

 

今回の講演でもう一つ感じたのは、学生たちの変化だった。

 

AIによって、情報にはすぐアクセスできる時代になった。
だからこそ、「問いの質」が上がっている。

 

何をすればいいかを聞くのではなく、
自分なりの仮説を持った上で問いを投げてくる。

 

これはかなり大きな変化だと思う。

 

大学生の今は、挑戦するには最高のタイミングだ。

時間もあるし、体力もあるし、やり直しもきく。

 

だからこそ、

未完成のまま始めること。

 

準備が整う日を待っていたら、一生始まらない。
自信が満タンになる日も来ない。

小さくてもいい。
まずは一歩踏み出してみる。

 

経営はアートだと思っている。

 

経営者になるということは、
自分の好きな絵を描く権利を持つということ。

どんな色を使うか、どんな世界を描くかは自由。

 

もちろん責任もある。
でも、それ以上に面白い。

 

今回の講演を通じて、
この中から一人でも「挑戦してみよう」と思う人が増えたら嬉しい。

 

失敗は怖い。
でも、その先にしか見えない景色がある。

 

ぜひ、小さな一歩から始めてみてほしい。