今年、EOフォーラムのテーマを「限界突破」にした。

 

 

モデレーターの役割の一つは、

その年のテーマを決めることなんだけれど、

今年は少し負荷のかかる言葉にしてみた。

 

人は意識しないと、自然とコンフォートゾーンに戻ってしまう。

 

居心地のいい場所

慣れたやり方

失敗しない範囲

 

その中にいると安心はできるけれど、景色はあまり変わらない。

 

僕は山に登るのが好きだ。

息を切らしながら頂上に立ったときの、あの静かな達成感。

あれは頑張った人にしか見えない景色なんだと思う。

 

好きな仲間と肩を並べて、同じ方向を向いて登っていく時間も最高だ。

きつい場面もあるけれど、それを共有している感覚が心地いい。

 

経営もきっと同じだ。

経営者一人が限界突破しても意味はないし、

一部の社員だけが挑戦している状態もどこか歪だと思う。

 

みんながそれぞれのペースで、

でも少しだけ居心地の悪いところに踏み出している状態。

それが健全なのかもしれない。

 

高すぎる山は人を壊すし、

低すぎる山は人を停滞させる。

 

ちょうどいい負荷を設計して、一人で登らせないこと。

それが経営者の役割なのだろうかと、最近よく考える。

 

社員が少しずつ限界を超えていく。

 

その変化は会社の中だけで終わらない。

きっと家族との会話や、

日々の空気にも影響していく。

 

そうやって、挑戦が静かに広がっていく状態がつくれたらいいなと思う。

 

限界突破というと強い言葉だけれど、

無理をすることではないのだろう。

 

ほんの少し、居心地の悪い方向に足を出してみること。

その積み重ねの先に、また違う景色があるのだと思う。

 

今年は、どんな山を、誰と登るのだろうか。

歩きながら、そんなことを考えている。