TODAY'S
 
ALK融合遺伝子陽性肺腺がんステージ4
分子標的薬アレセンサで治療を行って
わかったことがある(後編)

がん告知を受けた時に、担当医から言われた「好きな事を何でも行ってくださいね」という言葉について、これまでは「そうなんだ!アレセンサ投与患者の平均余命が5年だから、”限りある命有意義に過ごしてください”ってことなんだな」と解釈して、投与開始から2年ちょっと生きてきました。
しかしながら、最近その解釈では不十分じゃないのかな!?と思うようになっています。

 

限りある命を有意義に過ごすことを目的として、自分の生き方を考えると、次の2つの間でのジレンマに悩まされます。

 

 

「自分自身」のみに直接的な影響があること右矢印承認欲求や自己実現欲求等の高次欲求が強い??

「自分自身」以外を巻き込んで影響のあること右矢印社会的欲求(愛情欲求など)の提示欲求が強め??

マズローの欲求5段階説については、前出のブログで述べてます

 

 

 

がん患者になる前までは、自分なりに考えた人生の目標を達成する為に、様々な事を頑張ってきていたのだと思います。そして、その目標にたどり着く為に、必要と思ったマイルストーン(小さい目標)を途中に設定して、手前にある目標から一つひとつクリアしていきながら、最終的な目標を達成しようと頑張っていた自分がいました。

 

でも、その目標って、果たして自分自身の本当の最終目標だったのでしょうか?

 

私の場合、「やりたいこと」、「やる必要性があること(と自分で思っている)」を罹患した後に、色々と悩み、考えてきました。そして、一つの軸を設けました。今でも、人生における判断に悩む時があれば、その軸に従って判断しています。

 

家族(自分が含まれた) > 自分(自分だけ)

 

私は、最期のその時に「自分がどういう環境でありたいか」を自問自答しました。その結果、「家族>自分」という軸をベースとして、「家族と過ごす時間を最大化させる」ということを、自分の目標にすると結論付けました。ここに至るまでは、そこに至るまでの方法論ばかり考えていたのです。

 

死期は終着点=The End
(いつも考えている、日常にある一つの終点とは違う)

 

 

様々な事柄において、通常の場合は、演繹的に考えた方が適切なケース、帰納的に考えた方が良いケースと様々あるかと思います。

 

しかしながら、今回の死期については、帰納的に考えた方が良いのではないかと考えています。

理由はてなマーク結構シンプルなのですが、その時には考える余裕など無いからです。

 

さて、担当医から言われた「好きな事を何でも行ってくださいね」のもう一つの意味ははてなマーク

恐らく、科学的に残された時間が短期間であるってことなのだと思うようになりました。

 

「何も気にしないで、アレセンサが効いているうちに(=身体の自由が利くうちに)!そうしないと、後から自由が奪われていくから」という言葉があるのだろうと察しています。

 

人は、何らかのダメージを受けると、一度奈落の底に突き落とされますが、レリジエンスが効いて、再起を図ろうとします。前向きに考える事は、メンタル面で非常に良い事なので、それを否定するつもりはありません。ただ、物理的な変化は、正確に認識する必要もあると思います。

 

私は、2020年10月に肺腺がんステージ4、右肺を原発巣として、左肺への転移(肺内転移)、縦郭リンパ節転移、両鎖骨上リンパ節転移、胸膜播種という臨床所見が認められました。過去からの情報が、医療機関、専門医等は豊富に保持していて、罹患した状況と過去の情報を照らし合わせることで、仮の未来を予測することが可能です。勿論、人それぞれ状態が違う為、100%そうなるとは限りません。

 

未来を考える時に、自分自身にを見出すと、良いこともあるかもしれないですねウインク