本日の窓辺。
(もう、昨日の話になっちゃったけど。)
午後5時、お店に着くともう明かりが灯されておりました。
窓の外が青い‥
左の窓に関しては、実は本当に青いです。
むかし働いてらしたボリビア人の方が
絵を描いてゆかれたらしいです。
右の窓の青は、もう夜の始まりの青色そのものです。
写真には写っていない開いた窓から
冷えた風が入ってきました。
ヨシオカさんと私はどちらも猫と暮らしているので
猫に冬毛が生えて、ふわふわしだした事など情報交換いたしました。
どこの猫ちゃんも一緒のようです。
床やテーブルをきれいにしたら
食材の買い出しに行くのも私の仕事の一つです。
今日は買い物の中に「生のスルメイカ」がありました。
スルメイカって‥
干したイカのことではなかったのですか( ФωФ)?!
なんてびっくりしつつ
「スルメは種類なのか」と、そこは想像できました。
でも実際に買ってこられる自信がありません。
というわけで本日の、非常に間抜けな質問です。
(*'ー')イカって何色でしょう‥
「茶色。」
(*'ー')茶色! (メモる。)
「‥白と茶色。」
(*'ー')白と茶色!! (さらにメモる)
(*'ー')行ってきまーす
‥白と茶色?
仕入先に着いてから
「イカは白と茶色である」というのが一体
どんな状態なのか分からないことに気がつきました。
表が茶色で、裏が白?
それとも縞模様?
でもそれならヨシオカさんは「白と茶のシマシマ」って言いそうです。
白と茶色‥
売場ですぐに目に付いたのは、イカ刺し。
それからボイルした赤茶色の。
その並びには「生の丸ごとのイカ」自体が見あたりませんでした。
イカ、無い?
いや見つけられてないだけ?
念のため携帯電話を持って出てはおりますが
「どれかよく分かりません。見つかりません!」と報告したとして
そんな電話で何が解決しましょうか。
多分「じゃ、いいから。」で終わってしまいます。
うわあー!
お買い物くらいちゃんとしたい( ;ー;)
困りながら、しらみつぶしに鮮魚の棚を見ていると
まさに「生スルメイカ」という札のついた
生のイカを発見いたしました。
白地にエアブラシで、紫がかった茶色をざっと吹き付けたような
なるほど「白と茶色」のイカでした。
これかー(*'ー')
よかった。
今日も無事にお買い物できました。
食べ物のこと、私はいまいち知らないようです。
先日も非常に間抜けな質問をしました。
まかないで「食べたことある気がする、おいしいもの。」
が出てきたのです。
それは確かに好きな食べ物の味がするのですが
具体的に何なのか、が思い当たりません。
多分これまで何度か外食で食べたものと比べると
とてもやさしい味だったため
それが何だか分からなかったのです。
豚肉を使っているのは分かるのですが‥
なんだろう(*'ー')
食べ終わってからヨシオカさんに訊いてみました。
(*'ー')これ、おいしいです。何でしたっけ
「‥生姜焼きだよ。」
あー(*'ー')
「……」
いや、大丈夫。食べたことありますよ!生姜焼き(;'ー')!!
と思いつつ
なんか静かに食器を洗いました。
本日のまかない!
これはもう、まごうかたなき「酢豚」ですね(*'ー')
お肉にどう手を加えたらこうなるのか
やわらかくておいしかったです。
「温かい酢豚食べるの久しぶりです!」
と思いましたが
なんか言わずにおきました。
こんな風に、キッチンや仕入先で
私はしばしばダメさ全開で暮らしています。
ぎりぎりです。
案外くつろいでいるのが
実は客席であったりします。
色んな意味で大丈夫なんでしょうか、この店員‥
というわけで
本日の‥グサノロホーー!
また自分の趣味でお客様におすすめしてしまいました。
お飲物選びを相談して下さった方がいらしたので‥
そして「メスカルってなんですか」と訊いて下さったので
つい。
メスカルはテキーラと同じ製法で作っているものながら
その生産地が規定から外れるため、テキーラを名乗れないものです。
うちにある唯一のメスカルが、このグサノロホというお酒でして‥
GUSANOは虫、ROJOはcrazy。
言うなれば「いかれいもむし」という品名です。
ああ、ボトルをお持ちしましょう。
どうぞ。こういったお酒になります。
…(虫の姿が目に入り、脳に情報が届くまでの 間。)…
果たして今日もお客様から、喜びの声をいただけました。
「うわー!」と( ФωФ)b
虫よ今日もお疲れさま。
と、また冷蔵庫に戻す気だった私でしたが
なんとグサノロホをオーダーしていただけました。
わーい(*'ー')
でもすぐに「しまった!」と思いました。
だって、量的にもう最後の一杯なのです。
そこに沈んでいる虫はその一杯を飲む人の権利で
私は密かにそれを狙っていたのです。
グサノロホ一瓶空くのって何ヶ月かかるのでしょう?
今この虫を逃したら‥
だけどお客様に喜んでいただける事に比べれば
虫なんて!
虫なんて‥
どうでもよくないもん( ;ー;)!
「愛しい虫よ。」
しかし価値あるものだからこそ
だからお客様にこそ、ふさわしい!
( ФωФ)お客様。お客様の一杯でこのボトルが空になりました。
( ФωФ)ですので特別に、この虫を入れてご提供でき
…(あれやこれや、間。)…
なんて遠慮深いお客様でしょうか。
虫を私に譲って下さいました!
食べるところを見たいとまで言っていただけましたが
ほかのお客様もいらっしゃるので
店員が飲食するわけにも参りません。
虫だけコロリと入った瓶を冷蔵庫にしまい
グサノロホのお酒部分をお客様にお出ししました。
案外ふつう。
そしてエラドゥーラの方が深みがありますねというのが
お客様のご感想でした。
虫のないグサノロホって
どうもやはり精彩(?)を欠きますね。
ということがあった少し後
別の方からグサノロホのオーダーをいただきました。
実はこの日、私の知人が来ていたのです。
以前何人かで「各国料理を食べる会」として何度か集まった時の
メンバーのうちのお一人です。
お酒の飲めない人と思っていましたが
飲めないわけではないそうです。
そして、私は忘れておりました。
この方が虫好きだということを!
もう見るからに虫を喰う気満々の彼を、止めることはできません。
そんなひどい事はできません。
しかし‥
このたくさんの人が関わってきた虫を
彼が一人で喰うというのも、寂しいことではありませんか。
だからつい、彼の前にグサノロホを頼まれたお客様が
会計をしてもう帰ろうとなさるのを私は引き留めてしまいました。
( ФωФ)そこにいる私の友人が、先程の虫を食べようとしております!
( ФωФ)もしなら見届けて行かれませんか?
その「先程」の時、私が「では虫は私が後でいただきます」と言うと
「そこを是非見たい(笑)」とおっしゃったお客様です。
虫を食べるところを見てから帰ると
快諾して下さいました!
今、用意して参りますねー(*'ー')
ショットグラスに虫、イン!
(*'ー')お待たせいたしましたあ
…(間。)…
うわー!&もう笑うしかありません(笑)
虫本体にはずっとイヤそうにしていたお客様も
それはもうしっかり観察なさっていました。
「グラスのレンズ効果で虫がクローズアップされてるよ‥」
です、ねえ。
みんなで凝視。
そしてみんな(しかも知らない人たち)に囲まれる知人。
虫を食べようとしている上に顔が濃いので
「あの方は一体、どちらの国の‥?」
と、お客様に訊かれました。
( ФωФ)日本人です。濃いですが!
と申し上げたら、また笑っていただけました。
ごめんなさい。知人よ‥
さて、知人。
グラスを真っ逆様にして一気に虫ごといこうと思った様でしたが
頼み込んで、私も一口いただくことになりました。
みんな、わっくわく。
「いただきます。」
( ФωФ)どうぞ!
「どうぞ!」
「どうぞどうぞ」
…
( ФωФ)
「……」
( ФωФ)?
「なんか‥別に。」
( ФωФ)えー
「えっ?」
「へぇー。」
( ФωФ)じゃ、私も一口。
「どうぞどうぞ。」
( ФωФ)…
「どうですか?」
( ФωФ)ええ、それがなんか、別に‥(笑)
虫の見た目から想像していた、ぷっちりした食感ではなくて
何だか皮が厚くてシャギシャギするばっかりで
身らしい身は無いような感じです。
味はただもう、アルコール味。
「こういう食感の野菜がありますね。」
なんて知人と二人で言っていたら
見守ってらしたお客様のうち、一番虫を嫌がっていた女の方が
「そうなんですか」と興味を示されました。
なんと最後の一口、お召し上がりになった( ФωФ)
グサノロホの瓶をお見せした時
それはもうドン引きしてらしたのですが。
おおまさかその方が( ФωФ)
でもそういえば、そもそもこの日うちに来て下さったのは
この女性が夏にメキシコを旅行なさって、帰ってきてから
メキシコが恋しくなってネットでメキシコ料理を検索されて‥
というお話だったのでした。
「うーん。そうですね。なんか、そんなでも。」
とこの方もおっしゃって
「何で漬かってるんでしょうね?この虫(笑)」と
みんなでニヤニヤくすくすしたのでありました。
食べながら「ホント何の意味が?」
なんて一瞬思いました。
でもみんなでちょっぴり、そして楽しく「ROJO」じみられたのは
実に虫のおかげです。
おお、GUSANOROJO!
(*'ー')またお待ちしてます。虫と一緒に!
とお客様をお見送りして、やがて私の知人も帰ってしまってから
ふとヨシオカさんに訊いてみました。
(*'ー')ヨシオカさんは食べたことあるんですか?虫。
「あるよ?」
(*'ー')どう思いました?
「どうって別に‥酒の味しかしないだろ?」
(*'ー')まあ、はい。でしたねえ(笑)
「むしろ虫だけでよくあれだけ引っ張れるな。」
「だけ」( ФωФ)
ヨシオカさんに
ROJOさ加減で負けた気がした。
でも楽しかったからみんなの勝ち~♪
なんて、まだちょっとROJOです。
今回最後の写真が虫の分断写真でしたね‥
虫好きの方、苦手な方、ごめんなさいね(;'ー')