TWIN-DELUXE(Stevie Wonder) | walkin' on

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アナログレコードのレビューを中心に音楽に関するトピックスを綴っていきます
 歌詞の和訳や、時にはギターの機材についても投稿します

レコード番号:SJET-9438~9(Tamla Motown) 1974年(国内盤)

 

 

 以前に同じスティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)のベストアルバム”MUSIQUARIUM”について投稿した際、LPのベスト盤は音質がキツイものが多いので手を出さないようにしていると書いたことがあります。

 

 それから1年も経っていないのに入手したのが今回の”TWIN DELUXE”(以下TD)、ええはい、ベストアルバムです(`・ω・´)

 

 これが中古レコード店で販売されている、いわばフルプライスの価格設定のものであればまず手を出さないのですが、埼玉の北の端のリサイクルショップで見つけたこのTDは英世一名様、これは逆にスルーするのが難しい(;^ω^)

 なんせアルバムタイトルのtwinが示すとおり2枚組なんですもん。有名な曲はひととおりおさえてありますし、それにこのアルバムはレーベルがタムラモータウン、音質の面でハズレなはずは無いだろう、という希望的観測(笑)のもと購入を決めました。

 

帯が付くとこのとおり。

その帯ですが、

「ベストアルバムの次にはオリジナル・アルバムをお楽しみください。」( *`ω´)

と、大判をフル活用したディスコグラフィが。

この時点でのスティーヴィーの最新オリジナルアルバムは”TALKING BOOK”だったようです。

ゲイトフォールド内は各曲の解説。

歌詞はライナーに。訳詞はありません。

 

 

 

 

 このTDについて調べてみると、日本限定発売ということが判明しました。

 スティーヴィー・ワンダーが初めて来日したのは1968年だそうですが、その時はタムラモータウン所属のアーティストを集めたパッケージツアーへの参加だったそうで、単独公演を実現するのはこのTDのリリースの翌年、1975年のことです。

 

 以前の投稿で1973年リリースのカーティス・メイフィールド”BACK IN THE WORLD”をご紹介しましたが、70年代初めに注目を集めた「ニュー・ソウル」のトップアーティストとしてのスティーヴィーをプッシュする意図で制作されたのがこのTDではないでしょうか。

 

 しかも、よくよく考えたら1975年の時点でアルバムデビューから10年目、24歳ですでに

2枚組ベストアルバムに計24曲を収録(・o・)

しかもそれが

海を隔てた日本での限定販売(・o・)

でしっかりとセールスが出せるというのですから、スティーヴィー・ワンダーというソングライター、ヴォーカリスト、コンポーザー、マルチプレイヤーの才はケタはずれとしか言いようがありません。

 

 さらに、

先述の”MUSIQUARIUM”と重なる収録曲が”Superstition””You Are The Sunshine Of My Life”、たった2曲だけなのです。”MUSIQUARIUM”の収録曲数が16と、TDより少ないことを考慮しても、スティーヴィーのディスコグラフィがどれだけヒット曲だらけなのかがよく分かります。

 

 

 

 

 このTDの収録曲についていちいち書かなくても、皆さんよくよくご存じの曲ばかりなのでその必要もないはずです。

 

 もちろん音質の面では決して最良最高とはいえないLPだとは思いますが、個人的にはCDで聴いていたのとそれほど大きな違いは感じられませんでした。こればかりはオリジナルアルバムの、しかもリリース初年度の状態の良い盤を入手したうえで聴き比べなければはっきりしませんが、そのために割かねばならないであろう予算を考えると、このTDは相当お買い得であるといえます。

 

 

 何より、ターンテーブルが回るのを眺めながら、スピーカーから”A Place In The Sun”が流れるのを聴きながらコーヒーを啜っているだけで、ボクはもうじゅうぶん幸せです。それ以上の探求や検証はこんなブログを書いておいて言うのもナンですが(^_^;)スティーヴィー・ワンダーという大才の楽曲には不要なように思います。

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